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CAGE2:あの日の同罪ー立花 直ー20
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「部屋に入ってから……コイツに渡されてた、睡眠薬を混ぜた、水を……飲ませようとした……あの女疑い深くて、俺も一口、飲まされた……」
うつらうつらしながら倉橋さんは語る。
上月さんが倉橋さんに渡していたのは睡眠薬だったわけですか……。
「それにしてもよく起きてられるね。あの薬、速効性の特効薬なのに。かなり辛いでしょ?」
「……上月さんの作る薬は効き目が強すぎるから。」
葉桜さんが情報を付け足す。
つまり命に別状はないらしい。
良かったと胸を撫で下ろして、僕もシートに身を沈めた。
「家まで送るよ。」
車はゆっくりと発進する。
道中、車内は上月さんと葉桜さんの声が飛び交っていた。
この二人もお互いに信頼しあっているんでしょうね…。
トンッと肩に重みを感じて、隣へ目をやる。
倉橋さんはすっかりと深い眠りについたようで、僕の肩に頭を乗せ、規則正しい寝息を立てていた。
起こさないように、そっとその頭を撫でた。
先程とはまた違った温かい感情がじわっと胸に広がる。
「好き、です……」
それは小さく、無意識に紡いだ言葉だった。
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