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CAGE2:あの日の同罪ー立花 直ー29
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「どうだ?満足したか?」
「は、はい……でも、その、倉橋さんは……?」
「俺はいい。アンタが良くなればそれでな。」
「でも……」
「それより、シャワー浴びたい。アンタもドロドロで気持ち悪いだろ?」
俺の手を拭くのに夢中で、自分の身体を全く拭けていない立花は、俺の言葉にハッとして、慌てて拭き取り始める。
「ふっ……ほら、行くぞ。」
「わっ!だ、大丈夫です!自分で歩けますから!」
と言うものの、どう見ても腰を抜かしている立花を横抱きに抱えて、風呂場まで移動する。
「ああ、もう本当に……恥ずかしすぎます…」
風呂場について立花は顔を覆う。
また新たな一面だ。
「……大袈裟だ。」
「だって、こんな……」
「早く洗え。」
「はい……」
顔を合わせたくないのか背中を向けて身体を洗い始める。
ふと首筋が見えて、そう言えばと思い出した。
ここ、他の男が触れたんだったか…。
そう思ったら身体が勝手に動き始める。
「ーーえ!?な、に…」
腕を取って引き寄せ、立花の首筋に顔を埋める。
そしてきつく吸い上げた。
「あっ……」
「ーー無防備だな。」
身体を離せば、へなへなとその場に座り込んでいく。
「い、いきなり何するんですか!」
「……虫除け。」
訳がわからないと首を傾げる立花を放って、さっさとシャワーを浴び、浴室から出る。
少しして立花も浴室から姿を見せた。
「…珈琲飲みたい。」
「自分で淹れてください!」
どうやら拗ねているらしい。
「……アンタの淹れた珈琲が飲みたい。」
「知りません!」
「……………………」
「……………………」
「……………………」
「…………もう!分かりましたよ!」
ドカドカとキッチンの方へ向かっていく背中を見つめると、自然と頬が緩んだ。
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