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CAGE3:少年の記憶と過ち2
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「何でも屋と言えど命に関わる仕事は受けられない。ってことで頑張ってあの子を説得してあげてね。」
「…………アンタがやればいいだろう。」
「僕よりも倉橋くんの方が適任だと思うけど?それから立花くん、君もね。」
傍観者でいた僕に上月さんは視線を投げる。
そこで気が付いた。
この人は……
「……俺達のこと調べたのか?」
僕達の過去を知っているんだ。
「当然、雇用に当たって君たちのことはリサーチ済みだよ。うちには優秀な情報屋がいてね。今度紹介しよう。」
「チッ……悪趣味め。」
倉橋さんの機嫌などものともせず、上月さんは話を進めていく。
「こちらでも情報を掴み次第連絡はするよ。ちゃんと守ってあげてね。」
「……いいのか?昔の話とは言え俺達は犯罪者だ。父親殺しの手助けをするかもしれない。」
挑発的な言葉にも上月さんは変わらず微笑む。
「そんな心配はしていないよ。だって今の君たちを僕は見ているんだ。だから大丈夫。」
こうも絶対的な自信を持って言われてしまうと、僕達の方が怖くなる。
この期待に応えられるだろうか、と。
「よろしくね。」
倉橋さんもそれ以上は何も言えず押し黙ってしまった。
結局僕らは、眠る少年を引き取ることになり、例のごとく上月さんの車でアパートまで送ってもらい、ベッドへと寝かしつけた。
少年は丸一日眠り続け、目を覚ましたのは翌日の昼過ぎだった。
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