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CAGE3:少年の記憶と過ち13
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直side
倉橋さんからの電話を切って、スマホでプリンの作り方を調べる。
うん、これなら何とかなりそう。
既に食材が入っているカゴに必要な材料を追加して、レジへ並ぶ。
支払いを済ませて、アパートへと帰宅する。
10分程度の道をプリンの作り方を覚えながら歩いた。
アパートのドアを開けて靴を脱いでいたら、部屋の奥から軽い足音が聞こえてきた。
倉橋さん……?と、足元から視線を上げると、そこには暁斗くんの姿があった。
僕は驚いてぽかんと見つめた。
「えっと…おかえり、なさい。」
小さな声だったけれど、確かに聞こえた。
「た、ただいま……」
呆然と返す僕はいまいち状況が掴めていない。
そんな中、部屋の奥から暁斗くんを追いかけて倉橋さんも姿を見せた。
「…うろちょろ歩くな怪我人。」
「このぐらいの距離なら大丈夫。」
おやおや、これは何だか………
「…おかえり。」
「ただいまです。」
「荷物、寄越せ。」
凄くいい雰囲気なのでは?
倉橋さんは僕の手から荷物を取ると、空いている片手で暁斗くんを抱えた。
そのまま部屋の中へと引き返していく。
「うわっ!?だから、このぐらいの距離なら大丈夫だってば!」
「………足引き摺りながら何言ってんだ。」
そんな二人のやり取りを温かい気持ちで見ていたら、倉橋さんが振り返る。
「……どうした?早く上がれ。」
「ふふふ、すみません。」
促されて靴を脱ぎ、二人を追うように部屋の中へと入る。
暁斗くんを寝室に戻すのかと思いきや、その着地地点はリビングだった。
暁斗くんも嫌がる様子はなくソファーに座って、こちらの様子をチラチラと窺っている。
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