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CAGE3:少年の記憶と過ち36
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直side
時間が過ぎるのは早いもので、気が付けばクリスマスイブまであと1日となってしまった。
そして僕らは明後日クリスマスの夜に町を出ようと計画していた。
準備をしてくれたのはほとんど倉橋さんで、新しく住む家の契約とかその他諸々全て委ねてしまった。
町を出ても何でも屋の仕事は続けていくらしい。
報酬が口座振り込みになるだけで、連絡さえ取れるなら問題ないとの事だった。
「さて、では少し出掛けてきますね。お留守番お願いできますか?」
倉橋さんはお仕事へ、僕は雪見くんにマフラーの出来映え披露と引っ越す主旨を伝えるため、出掛けようとしていた。
「大丈夫だって。そこまで子供じゃないし。」
「そんなに遅くなりません。夜は、一緒に魚の煮付けでも作りましょう。」
今ではすっかりと暁斗くんと食事の支度をするのが習慣になった。
暁斗くん自身料理が好きらしく、次々と習得していく。
そのうち当番制にしてもいいかもしれない。
「新しい料理だね!楽しみ!」
はしゃぐ暁斗くんに腕を伸ばせば、胸元にすっぽりと身体を忍ばせてくれる。
「行ってきますね。」
「うん、行ってらっしゃい。気を付けて。」
最初は照れ臭そうにしていたハグも、今では当たり前のようにしてくれる。
僕よりも小さな身体は、僕と同じように温かく、同じリズムで心音を鳴らしていた。
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