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CAGE3:少年の記憶と過ち49
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僕らは車が見えなくなるまでそこに立ち尽くしていた。
車が見えなくなった途端、勝手に涙が流れてきた。
「あれ……」
拭っても拭っても次から次へと溢れてくる。
「……立花。」
それに気付いた倉橋さんが優しく涙を掬ってくれる。
「すみません………僕が泣くことではないのに……僕の、僕のせいなのに……」
「……違う。さっきも言っただろう?俺達二人の責任だ。」
「でも、でもっ!」
懇願するように倉橋さんを見上げたら急に視界が陰り、唇を塞がれた。
それがキスされているのだと気付いて、僕は目を見開く。
少ししてそれは離れ、倉橋さんが目線を僕の高さまで下げた。
「…俺達の責任だ。いいな?」
「………はい。すみません、取り乱しました。」
「……ん。」
と大きな手が優しく頭に置かれた。
それからその手は僕の手を引いて歩き始める。
「何処へ行くんですか?」
「……警察と暁斗の父親に情報を流した奴のところ。」
「誰だか知っているんですか?」
「言っただろう?知っている人間なんて限られてるってな。」
僕は引っ張られるがままその背中を追う。
歩みの途中で気が付いた。
倉橋さんの足取りは、何でも屋へ向いていることに。
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