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CAGE4:あの日の同罪ー倉橋 洋ー18
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上月side
倉橋くんと立花くんを見送って、事務所のデスクへと腰掛ける。
給湯室から珈琲を手にした啓介が顔を出した。
「どうぞ。」
デスクに置かれた珈琲。
「ありがとう。」
口付ければ僕好みの濃さで淹れられている。
「うん、やっぱり啓介の淹れる珈琲が一番だよ。」
「だから大袈裟ですよ。」
呆れたように言った啓介は口を閉ざしつつも、何か言いたそうに僕を見る。
「ん?何かな?」
「………一体何を考えているんです?」
「何って?」
啓介は真剣な眼差しを僕に向け、飲みかけの珈琲を奪っていく。
「楠木 暁斗の件ですよ。俺が分からないとでも思っているんですか?」
普段無愛想な鉄仮面が今目の前で憤慨している。
「ははは、」
「…何笑っているんですか?俺は真面目にーー」
「ああ、ごめんね。何だか啓介のそういう表情初めて見たから。」
心底嫌そうな、いや呆れたような顔をした啓介から珈琲を奪い返し、デスクへ置く。
それから腕を取って、自らの膝の上へと乗せる。
後ろから抱え込むようにしてやると、啓介は慌てて身動ぎをみせたが、僕の力の方が強いようで抵抗は無駄なものとなる。
「ちょっ、上月さん!俺の話はまだーー」
「はいはい、ちゃんと聞くから。それで?」
「………上月さんなら分かっていたんじゃないですか?城峰兄弟が楠木暁斗の情報を漏らす可能性を。」
腕の中の身体が力を抜き、その背中が小さく丸くなっていく。
「どうして?」
「…誤魔化さないでください。何年、一緒にいると思っているんですか?」
プルプルと震える姿は小動物でも連想させそうだ。
何て言ったら本気で怒られるんだろうな。
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