アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
CAGE4:あの日の同罪ー倉橋 洋ー30
-
その存在を教えるように、中でゆっくりと円を描くように回してやる。
「うっ…あぁ……だめ、苦し………怖っ……ぅ」
「……立花」
目を瞑ったまま、嫌々と首を横に振っている。
「や、です……ほんと、苦しぃ……」
「……立花」
俺の声はまるで聞こえていないようで、ただひたすらに苦しいと繰り返し呟くだけだ。
仕方ないと頬や瞼、額、顔中に触れるだけのキスをする。
「……ぅっえ?……倉橋さん?」
「……立花、好きだ。」
「………ぇ?」
「……力抜いて。大丈夫、優しくする。」
「……うっ……ずるい、です………そんな優しい声で……」
「……傷付けたくない。だから力抜け。」
ようやく開かれた瞳は潤んでいる。
「……俺とセックスしたくない?」
「うぅ……そう言う訳じゃないですけど……やっぱ、その………怖くて……」
「……そうか。……俺も怖い。」
「え…………?」
「……俺も怖いんだ。」
空いている片手で立花の頬を撫でる。
「……俺にとってセックスはアイツらを満足させる手段でしかなかった。好きだとか、愛しているだとかそんなもの必要ない。抱き、抱かれ……言われるがまま行う機械的行為だった。」
「倉橋さん……」
「トラウマがない訳じゃない。どちらかと言えば嫌悪感の方が強い。……でも俺は立花を抱きたいって思ってる。」
「…………………」
「人にこんな感情を抱くなんて思ってもみなかった。こうして触れていたい。それだけじゃ満足出来ない。もっと、もっとと欲深くなる。」
……ああ本当、らしくないな。
「……抱かせてくれないか?」
少し声が震えた気がした。
立花は俺を見上げ真っ直ぐと視線を向けた。
それから頬に伸ばしていた手に擦り寄る様な仕草をする。
「手、震えていますね。」
「……言っただろう?怖いって…」
「ええ、伝わってきます。倉橋さんの弱さが。ーー嬉しい。」
立花は幸せそうに笑った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
171 / 269