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CAGE5:日常に潜む影35
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いつもはベッドで見下ろす側だが、今日は上に乗っかる直に見下ろされている。
「……ふっ、新鮮だな。」
「わ、笑わないでください。僕だって男なんですから、たまにはリードしたいです。」
動かないでくださいと言うので四肢を投げ出しベッドの上に転がったまま、直の好きにさせている。
震える手がボタンに掛かり外そうとするものの上手くいかないようだ。
「……手伝おうか?」
「い、いいです!僕がやります!」
と言う割りにボタン一つ外すのにどれだけ掛かってるんだか…。
それでも好きにさせてやろうと手を出さずにじっと待つ。
ようやくボタンを外し終えて、開けた隙間から差し入れられた手が肌を滑る。
「綺麗な肉付きしてますよね。僕とは大違い…。」
「……そうか?アンタは綺麗な肌してる。」
「喜ぶべきか複雑ですね、それ…。」
「…誉めてるつもりだ。」
「尚更です。」
小さく息を漏らしてから、直は身を屈め俺の首元へ顔を埋めた。
「早く、良くなるといいんですが…」
小さく言葉が紡がれた後、首の痣へ唇が寄せられる。
啄むような動きに少し痛んだが、気が済むならと止めることはしない。
軽く触れるだけの唇が徐々に下がっていくが、あることに気が付いて思わず笑ってしまう。
「今度は何ですか?」
動きを止めて怪訝な眼差しを向ける直に、堪らず頭を撫でた。
「アンタが触れる順番、俺と同じだ。」
「え………」
きっと無意識なんだろう、だからこそ愛しいと思える。
「…アンタ、本当に俺しか知らないんだな。」
「そ、そうですよ……ダメですか?僕は貴方にしか抱かれたことはないし、貴方以外に抱かれる気もないんです。」
開き直りと言うにはあまりにも甘い言葉の羅列だ。
「……それでいい。アンタは俺だけ知っていれば、それで。」
「ふふ、なんか独占されているみたいです。」
「みたいじゃない、してるんだ。」
油断したように笑う直の手を取り、その身体を返すとそのまま背中をベッドへと沈めた。
見上げていた顔を、今度は俺が見下ろす番だ。
「……そろそろ交代だ。」
「や、ダメです!僕まだ全然ーー」
「また今度な。」
額に口付けるとその顔は膨れっ面へと変わり、そっぽを向いた。
絶対今度なんて無いくせに、そんな台詞が聞こえてきて、確かにと心で頷きながら俺は苦笑した。
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