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CAGE6:止まない愛情10
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帰宅して直の身体をベッドへ降ろす。
「ありがとうございます。」
恥ずかしそうに言った直だが、表情は穏やかだった。
「……ん。動かないように安静にしとけ。」
頭を撫でてやれば、心地よさそうに瞼が閉じる。
「寒かったな。珈琲でも飲むか?」
「はい、お願いします。」
「ちょっと待ってろ。」
頷きを確認して寝室からキッチンへと移動すると、その後ろを当然のごとく美柴がついてくる。
準備をする俺の手元をただ無関心に見つめていた。
「……どうやって調べた?」
「何がですか?」
「…俺の過去。」
俺の問いに美柴は思い出したように、ああと呟いた。
「別に調べたわけじゃありません。」
「……質問を変える。誰に訊いた?」
「それには答えられない。言いましたよね、知りたいなら抱いてください。特別だという立花さんの前で。」
手を止めて視線を隣へと移す。
「俺がお前を抱いたとして、それが何になる?目的は一体何なんだ?」
「僕の目的は洋さんに抱いてもらうこと。それだけです。」
「何のために?」
「好きだからです。洋さんが立花さんを抱くことにそれ以外の理由があるんですか?」
「……嘘をつくな。お前は俺のことなんて好きじゃない。」
呆れた溜め息と同時に止めていた手を動かし始め、視線を外した。
「嘘かどうか、一度試してくださいよ。」
「……だから無理だ。直以外には勃たない。」
これ以上は無駄だな。他の方法で探るしかない。
そんな思案をしながら動かしていた手に、美柴の手が重なる。
「実の母親には勃ったのに?」
指先が艶かしく肌を滑っていくようで、俺は思い切りその手を振り払った。
「……違う。あれは……」
言い掛けて口を閉ざす。
いや、これ以上余計な情報をコイツに与えてやる必要はない。
仮に知った上での挑発だったとしても、それに乗ることは得策ではないだろう。
「……どう言われても構わないが、俺がお前を抱くことなんて有り得ない。いい加減諦めろ。」
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