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「喧嘩」青緑
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おついち視点
暑い…。あまりの暑さに目が覚めた。
……何で俺はここで寝ているんだろう?
確か今日はめろさんと会う約束をしていて…そうだ、兄者と喧嘩してしまったことを話している時に急にめまいがして倒れたんだっけ。その後病院に行ったことは覚えているけど、どうやって自分の家に辿り着いたのか思い出せない。もしかして、めろさんがずっと付き添っていてくれたのかな?
「おっつん起きた?」
声のする方を見るとピンク色の髪型をした誰かを確認することができた。こんな頭してる人はめろさんしかいないから、めろさんだろう。熱も出ていて起きたばかりだからなのか、少し視界がぼやけている。
「……めろさん?」
「具合どう?」
「…すごい暑い。」
「昨日はずっと寒い寒い言っててさ、布団引っ張り出してかけたんだよ。まあ、暑いって思えるなら少し良くなったのかな。」
そう言って俺の額に手を当てた。…冷たくて心地良い。
「んー、まあ昨日よりは熱ないんじゃない?俺よりは全然熱いけど。」
そう言って手を離してしまった。
「…離さないで?もっと触ってよ。冷たくて気持ちいいー…。」
……?どうしたんだろう。全然何も言わなくなってしまった。でも相変わらず視界がぼやけていてめろさんの表情はうかがえなかった。
「…そんなこと言ってたらねー、兄者に怒られちゃうよ?」
兄者…そうだ、ちゃんと仲直りできなかったんだよね…。昨日はめろさんと会う約束をしていたからいつもみたいにご飯を作って食べれなかったんだよなあ。…まだ怒ってるかな?
……会いたいなあ。
風邪をひくと人肌が恋しくなってしまうのは弱っているからなのかな。兄者に会って早く仲直りしたい。隣にいてほしい。
「おっつんはわかりやすいな〜。今兄者のこと考えてたしょ?」
「な!…何言って…」
「わかるよ。おついちさんのことなら。でも今は俺といるんだから兄者のことは忘れてよ。」
確かにめろさんがせっかく東京に来てくれたのに倒れて何もおもてなしできなかった上に俺の看病までしてくれているのに他の人のことを考えるなんて失礼だよなあ。額に冷えピタが貼ってあったり、ちゃんと部屋着にも着替えている。全部めろさんがやってくれたんだ…。
「ごめんね…めろさん…。」
「ん?いや冗談だから兄者のこと考えていいよ?」
「そうじゃなくて…こんなにやってもらっちゃってごめんね。せっかく来てくれたのに何もできなかった…。」
「まあね、次来た時の旅費全額出してくれれば良いって。」
「…容赦ないな〜。」
そう言って2人で笑った。
めろさんのこういうところが好きだ。しんみりした空気をつくらなくて、笑わせて明るい空気にしてくれる。
「ありがとう、めろさん。」
「はいはい。……眠ったら?」
そう言われて目を閉じたらすぐに眠気に襲われ、眠っていた。
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