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「喧嘩」青緑
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いつもの場所にバイクを止め、おついちさんの家の前に辿り着いた時、丁度ピンク色の髪の毛をした人物が家から出て来た。
「よお、兄者。待ちくたびれたぜ。」
余裕そうな表情と口調で俺を挑発しているのだろうか。そもそもめろさんがおついちさんを好いていたなんて知らなかった。彼はポーカーフェイスでいつも何を考えているのか表情からは読み取れない。本当におっつんのことが好きなのかすらわからない。
「……何した?」
こんな事を聞くとますます余裕がないことがバレる。おっつんが関わってくるなら俺よりも年下だとかそんなことは関係ない。
「へえ…。兄者もそんなに余裕なくなることあるんだ?」
「質問に答えろよ。」
そう言って思わずめろさんの胸ぐらを掴む。するとめろさんは俺を睨みつけて手首を思いっ切り掴んで引き離そうとしてくるもんだから俺も手に力が入る。
「そんなに必死になるならなんでもっと大事にしない?いつもおついちさんが行動するの待ってんじゃねーよ。」
確かにそうだ。俺にはめろさんを怒る資格なんてない。むしろおっつんを看病してくれたことに感謝するべきだ。
俺が手の力を緩め、手を離すとめろさんも手を離した。
「………今回は何もしてないから安心しな。でも次はわかんないから。あと、おついちさんなら寝てるから。」
「……」
「…じゃあ、俺行くわ。」
せめてお礼を言わないと…おっつんを看病してくれたお礼を…。また何も言わないで後悔するのかよ?
「…めろさん!」
歩き出していためろさんが足を止めてこちらを見る。
「…ありがとう。あと、胸ぐら掴んでごめん。」
めろさんは少し笑って手を振って行ってしまった。
おついちさんの家の中に入ると当たり前だけどおついちさんの匂いがした。リビングに行くと相変わらず緑色の物ばかり置いてあった。寝室に行くとベッドがふっくらとしていておついちさんがそこにいることを教えてくれている。
ベッドの横に座ると冷えピタを貼って眠っているおついちさんがいた。まだ顔が赤いから熱があるんだろう。
一体いつから熱があったんだろう…?昨日一緒にいる時から熱があったのに気付くことができなかったのかもしれないと考えると、本当に情けなかった。
顔にそっと手を当てると少し汗ばんでいて、熱が伝わってくる。
……まだ全然良くなってないのか?呼吸も荒いし、不安になってきた。このまま目を覚まさなかったらなんてことまで考えてしまう。
するとその時、おついちさんがうっすらと目を開けた。
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