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「風邪」
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※「喧嘩」と続いているので、先にそちらを読んで頂ける方が理解できると思います。
「おついちさん、兄者の具合どう?」
シンクでお皿を洗っていると弟者が心配そうに声をかけてきた。…そう、ご想像の通り兄者に風邪がうつってしまったのだ。
兄者と弟者と出会って2人とも大きい身体をしているから風邪なんてひかないだろうと思っていた。それなのに2人ともすぐ風邪ひくし…。要するにデカいのは図体だけ。むしろ俺の方が風邪ひかない。
…それなのにキスなんかしてくるから、そりゃ風邪もうつるさ。しかも、結局兄者に襲われるし…。あの人俺が風邪をひいているとわかっていながら容赦なく色々と…!
でも、俺の風邪をうつしちゃったわけだし、兄者も俺のこと看病してくれたし、俺からもキスしてしまったし…一応責任は感じている。
「ご飯食べられたし、今薬も飲んだから少しずつ熱下がってくると思うんだけどね〜。あの風邪は辛かったから兄者も辛いと思うよ。」
「そっか〜…。ごめんね、おついちさん。全部やってもらっちゃって…。」
「俺の風邪がうつっちゃったんだから、そんなこと気にしなくて良いよ。それに弟者が看病してうつる方が申し訳ないよ。」
「〜〜〜〜っ!おついちさん!ありがとう!」
「わっ!」
弟者が俺をギューッと抱き締めてきた。ああ…兄者に見られたら終わりだ…。幸い兄者は部屋に隔離しているから問題ないけど、万が一トイレで起きたりしたら俺があとで何されるか…!(何されるんですか)
本当は兄者を俺の家に連れて来て看病した方が弟者にうつらなくて済むけど、俺が兄者を車まで運ぶなんてできるはずもない。兄者も怠くて自分で動けないし。だから弟者には手洗いうがいとマスク着用を徹底している。
やっと弟者から解放された俺は氷枕作成に取り掛かった。
「そういえば、めろさんは大丈夫みたいだよ。兄者が大変なことになってるけど、めろさんは大丈夫か聞いたら何ともないって。」
めろやん…。俺も電話でお礼とお詫びを伝えたけど、あまり元気がなかったんだよなぁ。どうしたんだろう?
「でも、めろさんの方がおついちさんと一緒にいたのに風邪ひかないなんて、さすがジャングルにいるだけあって強いよね〜。」
そりゃ俺とめろさんはキスとかしてないからうつらないだろうなぁ…。そんなこと弟者には口が裂けても言えないけど。
「…いや、めろさんが強いんじゃなくて、兄者とおついちさんってもしかして俺に内緒で……」
…え!?ここにきて鈍感な弟者が何かに気付いたのか!?俺はそんな素振り見せてないぞ…。バレても俺のせいじゃないからな、兄者ァ!!
氷枕を作っていた手が止まってしまい、弟者の方を振り返ると怪しんでいるのか、俺をじーっと見て、顎に手を当てて考えている人のポーズをとっている。…やばい、動悸が!変な汗も出てきた!
「めちゃくちゃ仲良くしてるんでしょ!!」
…は?
「ほーら!やっぱり!何も言わないってことはそうなんだ!俺の前では喧嘩して仲悪いフリして!本当はめちゃくちゃ仲良くて2人で飲んだりしてるんでしょ!俺を仲間外れにして!」
その後も弟者は「これだから最近のおっさん共は」とか「良いもーん。俺だって兄者とおついちさん以外と仲良くしちゃうから。」とかなんかほざいてた。
俺は弟者が死ぬ程可愛いってことがわかったところで兄者の看病をしに部屋に行った。
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