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「風邪」
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そっと兄者の部屋に入るとスースーと寝息が聞こえ、眠っているようだった。
兄者のベッドの横に座り顔を覗き込むと目を瞑っていた。
良かった…さっきは咳もひどくて熱も高くて本当に辛そうだったけど、眠れたんだ。
安心したところで冷えピタを起こさないように貼り替える。氷枕も作ってきたけど、頭の下に入れようとしたらせっかく眠れたのに起こしちゃうよな〜。
どうしようと考えて兄者の顔をジッと見つめていると改めて整った顔をしていることに気付いてドキドキしてきた。
………今ならキスしてもバレないんじゃないか…?
いやいやいや!!何考えてんだ俺は!!病で倒れている人に何をしようとしてるんだ!!
首を横に振って自分に言い聞かせた。
…でも、眠ってるんだからキスしたって気付かないはず。少しだけ、触れるだけ、大丈夫、バレない。
だって、こんなに兄者の匂いが立ち込める部屋で我慢しろって言う方が無理だよ…?
兄者に顔を近づけ、触れるだけのキスをした。
「……」
………恥ずかしい〜〜〜〜!!キスってこんな恥ずかしいもんだっけ!?いや、そうじゃなくて、兄者は!?
兄者が起きていないか確認しようとして振り返ろうとしたその時だった。
「ひゃあ!?」
腕を思い切り引っ張られ、思わず情けない声を出してしまい、兄者の上に倒れた。
「おついちさん何やってんの?」
ば…ばれてる!!
「あにじゃっ…!?おおお起きてたの!?」
「起きたらおついちさんが首横に振ってて面白かったから寝たふりしてた。」
結構前から起きてるし、そんなところも見られてたなんて恥ずかしすぎる!!
「あのっ兄者…ごめん…。」
病に倒れているのにこんなことをするなんて、俺らしくない。…まあ、俺も風邪ひいてるときに兄者に襲われたけど、兄者はなんか想像できるし、やりそうだし。(ひどい)
俺の方が年上なのに余裕ない。
「そうだね。やっぱさ、こういうことは俺が起きてる時にしてくれないとね。」
……え!?そっちなの?…っていうか結局起きてたじゃん。
「ほら、もう一回しないと離してやんないよ?」
そう、兄者はさっきから俺を後ろからギュッと抱き締めているからもう俺の心臓はおかしくなりそうなくらいドキドキ鳴ってる。しかも顔が俺の肩にあるから喋る度に吐息がっ!
本当に風邪をひいているのか怪しいくらい力が強くて、俺も同じ男なのに逃げられない。
……いや、違う。逃げられないんじゃなくて、逃げようとすらしていない。
俺を抱き締めている兄者の腕をギュッと掴んだ。
「…良いよ、離さないで。離してほしくない。」
ああ、やっぱり余裕ない。
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