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甘え② 赤ver.
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「おついちさーん!ねえ!聞いてる!?」
「あーもー!うるさい!ちょっと静かにして!」
「あーそんなこと言っていいの?俺が今何持ってるかわかってる?」
「おーおーいいぞ、全力で受け止めてやる。」
「ほお〜、いい覚悟じゃないですか?あなた確実に死ぬけど良いの?」
「フライパンの力を見せつけてやる!!」
………うるさ。
三人で某ゲームを楽しんでいるが、完全に二人だけの世界になっている。まあこんなのはいつもの光景だけど、本当にうるさい。
弟者のことが好きで弟者も俺のことが好きだと言ってくれた。でもやっぱり頼るのも甘えるのもおっつんだし、最初はそれを気にして本当に俺のことが好きなのかと思ったこともあったけど、気にするだけ無駄だからもう諦めた。
やっぱ、兄のくせに弟より子どもっぽい部分ばかりだからこんなことすらも気にしているとか思われたくない。
でも、隣でイチャイチャしている光景を目の当たりにしている俺の気持ちを一つも考えない弟者にだんだんイライラしてきた。
「はーい、じゃあ時間が丁度いいので一旦休憩しますか〜。」
実況を一時中断した後も相変わらずイチャイチャしているから、俺は気持ちを落ち着かせるために部屋を出ようとした。
「兄者どこ行くの?」
「……」
弟者が俺に聞いていたのはわかっていたけど、今答えると強く言ってしまいそうだったから質問には答えず部屋を出た。
階段を下り、冷蔵庫から飲み物を取り出し、口に含む。
戻ったらあくまで普通にすれば良いんだ。実況に支障が出ないように。普段通りの俺で、ゲームに集中するだけ。
そろそろ戻ろうとした時だった。
「兄者?どうしたの?」
弟者が階段を下りてきていたみたいだ。精神統一していたから全然気づかなかった。
「別に何もねぇよ。今から戻ろうとしてたところ。」
「…なんか怒ってるの?」
「……だから、何もないって言っただろ?しつこいんだよ。」
……やばい。結局強い言い方になってしまった…。でも、せっかく精神統一したんだからそこには触れずそっとしておいてほしかった。
「言ってくれなきゃわかんないよ。」
「だからしつこいって言ってんだろ!?何なのお前。俺になんか構ってないで、おっつんのところ戻れよ!」
……やってしまった。本音は全部出るし、とても兄とは思えぬ優しさの欠片も無い言い方…。
弟者に背を向け、やらかしたことを後悔し、反省をしていると突然背中に衝撃が加えられた。
「痛てっ!おい!何…」
弟者が勢い良く俺に抱きついてきていた。こんなことをしてくるのは初めてで、驚きと戸惑いで言葉を失った。
そのまま腕を引っ張られ、ソファに押し倒された。
「いや、だから痛てぇし…何がしたいんだよ。」
さっきから俺の扱い雑!乱暴すぎるだろ。
体勢を整えるため、椅子に座った。
「兄者のバカ。」
「は?」
ムカつくと思ったと同時に弟者に頬を押さえられ、キスをされた。
「なっ!?……ちょ…落ちつ…」
状況が全く飲み込めず、弟者に問いたいのだけれど、何度も繰り返しキスをされ阻まれる。普段は俺からしかキスをしないから本当はすごく嬉しいけど、数秒前まで怒っていた俺の気持ちはどうしたら良いんだよ?
やっとキスの雨が止み、弟者の顔を見ると、顔が赤くて、少し悲しそうにも見えた。
「………ごめん。」
そう言い、弟者はその場に座り込んだ。ちょうど俺の脚の間にいる状態だ。
「…別に俺が言ったからって変える必要ないし、変えられても気使われてるとしか思えないから、こういうこと無理にしなくていいって。」
「無理になんてしてないよ!!……無理になんてしてない。本当は兄者に甘えたいよ…!でも、今まで兄弟として過ごしてきたから、どうやって甘えたらいいのかわかんなくて…本当はもっと近くにいたいし、いっぱいこういうことしたいって思ってるよ…。ごめんね。俺がちゃんとしないから…」
「弟者の気持ちはもうわかったから良いよ。俺もごめん、ちゃんと気持ちも聞かずに、キツいこと言って。」
俺は本当に兄として失格だ。でも、こんな可愛い弟者を見られるなら失格でもいい。
少し涙目で不安そうに俺を見つめる可愛い俺の弟で恋人。頭を撫でると、抱きついてきたから俺も抱き締め返す。
「今日はまだ一回も兄者にキスしてもらってない…。」
普段、弟者に構えない時もあるけれど、そういう時に口には出さなくても思っている時があったんだろうか?…そうだとしたら嬉しい。俺ばかり好きだと思っていたけれど、それは間違いみたいだ。
「…しょうがねーなあ。」
少し身体を離し、弟者にキスをした。
「…兄者大好き」
「知ってる。俺も好きだよ。」
そうして深いキスをした。
(早く実況して。)
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