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屋上の住人-2
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「……ん?」
いつの間にか寝てしまっていた僕の隣に彼はいなかった。
かわりに彼がいつも着ているフードの上着が僕にかけられている。
先に教室へ戻ったのだろうか、それとも保健室か。
または帰ったか。
「何時だ…?」
ズボンに入っていた携帯の液晶画面をタップする。
ちょうど5限が終わる頃だった。
「やばい!早く戻らないと。」
僕は碓氷くんの上着を手に持ち急いで教室へ向かった。
教室へはクラスの半分くらいが戻ってきており、着替えていた。
「お前!また体育サボったなー!!」
碧海に頭をぐっしゃぐしゃに撫でられる。
「わー!ちょっ!待って!」
「このー!」
他の奴らにも頭をぐっしゃぐしゃに撫でられたり体をくすぐられる。
「ちょっ、あっ、ははっ、くすぐったっ、まって、あははっ!!」
「参ったかー!」
「ま、いったから!やめて!」
くすぐり攻撃に弱く僕はすぐに降参する。
碧海が僕の隣の席に座る。
と、すぐに席の主の声がした。
「おい、碧海。そこは俺の席だ。」
少し低めの声、保健室に行ったのか僕が指摘した傷には手当した跡があった。
「いいじゃねぇか蒼月〜。」
少しふてくされながら僕の椅子を半分くれと言わんばかりの顔で見てくる。
僕は黙って少しだけ自分のおしりをずらす。
少しだけ空いた隙間にちょこんと座る碓氷くん。
隣から見える横顔がイケメンである。
なんとも羨ましい。
「あれ!!?」
大きな声を上げるクラスメイトの1人。
クラス内がざわざわし始める。
僕達もざわざわの根源を見る。
「なんだ?」
碧海が興味津々に近づいていく。
声を上げた主はいじめっ子な海道(かいどう)くんだった。
「どうしたん?」
碧海が声をかける。
なんだか何かを探しているようだ。
焦っているのがこちらにも伝わってくる。
「いや、ないんだよ!俺の財布が!!」
「「え?」」
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