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いじめ-2
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助けて欲しいのに僕は周りの人を巻き込みたくなくて助けを求めることができなかった。
お財布事件から1週間。
周りにバレないように海道くん達は僕をどんどん追い込んでいる。
はじめは遊びだと言ってキャッチボールを勧められたくらいだった。
元々球技が苦手な僕はちゃんとボールを取れずにからかわれていた。
ただ、からかっているだけのかと思っていた。
でも違う。
これは紛れもない、いじめ。
取れないようなボールを投げて僕の体に当てる。
「うっぐ…。」
それだけじゃない。
みんなが見てないところでは普通に暴力を受けた。
前の学校の悪質で小賢しいものとは違う、直接的な暴力。
無視されたり物を隠されたりはされない。
体操服や制服を破ったりはしない。
僕に直接手を下してくる。
「大丈夫かー?」
心配しているような振りをしているが目は笑っていない。
怖い。
僕は毎日恐怖に駆られていた。
前の学校の時と同じように。
いじめられる恐怖。
前よりももっと大きい恐怖。
今日はどのくらい殴られるんだろう。
何をされるんだろう。
そんなことばかり考えている。
「お前、碓氷にチクッたりしてねぇーだろうな。」
「し、してない!」
碓氷くんに助けを求めることもできなかった。
そんなことをすれば巻き込むのは目に見えている。
暴力だけならまだ耐えられた。
でも、今日はなんだかいつもと違ったんだ。
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