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罠
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教室中の、嫌によそよそしい周りの反応も予想していた通りで。
右から左へと抜けていくだけの授業に耳を貸しながらふと校庭に目を向けた。
ぬかるんだグラウンドを駆け抜けるあいつを、一瞬で見つけてしまえる自分が憎い
募る苛立ちを抑えるように、机に突っ伏す
〔何も無かった。はじめから、何も無かった〕
そう言い聞かせるうちに、じわり、と滲む汗
今この瞬間に感じるもの全てが、自分を苛立たせる要因にしかならなかった。
突っ伏しているうちに眠ってしまっていたようで、気づけば皆弁当を持って各々で移動し始めている
今までお昼を共にしていた友達も、チラチラとこちらの様子を伺うだけで、話しかけては来ない。まるで腫れ物を見るような視線。
今日は中庭で食べよう。
そう思い廊下を歩き出す
窓から見上げた空は先程の晴天が嘘のように曇りだしていた。
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