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罠
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中庭には滅多なことがない限り人が来ない。
それもそのはず、校舎からの距離が遠いうえに、その旧校舎の外れにあるのだから
コンビニ袋を持ち、旧校舎に入ると五限目を知らせるチャイムが鳴り響いた。
授業に出る気も起きないので、そのまま歩みを止めずに中庭のドアを開ける。
ふわっと香る木々の匂いを吸い込み、芝生に座りいつもより味気の無いおにぎりを頬張る
一通り食べ終えて寝転び、
今にも雨の降りそうな天気を確認して目を閉じた
何を考えるでもなく目を閉じていた。
今考え始めてしまったら、暗い思想に溺れてしまいそうだったから
放り出していた手のひらに、ポツ、と1粒の雫が
「雨だ…」
小さく、けれど力強く、存在を主張しながらポツポツと制服が濡らされていく。
屋根のあるところに入ろうと、立ち上がり歩き出したとき
「今日は弁当じゃないんだ?」
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