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罠
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授業を受けているうちに幾らかマシになるだろうと思っていた頭痛も徐々に痛みを増していく。授業中、先生に顔色が悪いと指摘されるくらいなのだから自分は今すこぶる体調が悪いのだろう。
震える体を抑え込むようにして、乗り切ってきたが
次の体育の授業で限界が来た。
飛んできたバスケットボールが見えず、勢いのあるボールが顔面、口元に激突する。
風邪で弱っていたこともあり意識がぐらつき始めた。
当ててしまった男子がとても心配そうに頭を下げるので何だかとても申し訳ない。
大丈夫だから
そう言ってひきつる頬をあげるのが精一杯だった。
何とか男子をなだめながら意識を保とうとする。
ぼやけ始めた視界に何も考えられなくなったが
倒れる直前、突然感じた浮遊感と温もりに
柄にもなく安堵してしまったことを覚えている。
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