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手違いで配属された特別クラスでメスに堕とされそうになっている。
出会い
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「…はぁ」
教室の前で深い深い深い深いため息をつく。もはや何度目かもわからず昨日飲みに連れていってくれた友人にも「ため息つきすぎだろ、飽きねえなあ」などと言われてしまう始末。でも嫌なものは嫌で不安なものは不安なのだ。はぁ、とまた肺から重苦しい息が抜けていく。
「…帰ろうかな」
「せんせ〜遅くなーい?」
心で思った半ば本気の言葉が思わず口に出てしまった瞬間、変に間延びした声と共に開けられるのを待っていた扉がガラガラと開いた。お互い数回瞬きをしてその30cmほどの距離で見つめあって暫くの沈黙。
「……」
「……」
「……なんだ、いるじゃねえか」
俺は目の前の扉がいきなり開いたことに、相手はきっといつまで経っても来ない先生を探しに行こうとしたら教室の真ん前にいたことに驚き言葉を失っていた中、沈黙を破ったのは自分でもドアを開けた生徒でもなく教室から出てきた別の生徒だった。
「えっ」
「ん?なんだよそんな変な声出して」
ドアを開けた生徒の後ろから顔を覗かせた生徒を見て思わず声を上げてしまう。想像していた特別クラスの面々とは似ても似つかないような、染めたであろう赤茶色の髪の毛をワックスであそばせお世辞にも頭がよさそうには見えない見た目だった。きっと思っていたことが顔にも出ていたのだろうほんの少し目を細めるも特に何も言及はせずに腕を掴まれやや強制的に教室に引きずり込まれる。
「ほら先生、時間もったいねえから早く自己紹介しろよ」
教卓まで連れられるとぱ、と、手を離して面倒くさそうにくぁあと欠伸しながら自分の席へと戻っていく。ドアを開けた生徒だけが黒板の端の方に寄りかかって俺が話すのを待っている。
「あ、ええと……、今日からこのクラスの担任になりました、加藤です、担当教科は英語です。よろしくお願いします」
「せんせ〜、彼女とかいるの〜?」
「うぁっ!?」
あえて平凡で無難な自己紹介をする。必要最低限の情報。しかしそれじゃ足りないという風にドアを開けた生徒が気配を消して自分のほぼ真後ろから耳元で問いかける。驚いて少し大きめの声を上げると期待通りの反応が返ってきたとひどく嬉しそうだ。
「せんせ〜可愛いね、俺齊藤赤彦、で?彼女は?」
「…いません………」
可愛いね、と男に言っても仕方ない言葉を聞き流しつつすりすり頭を首筋に寄せながら聞いてもいない自己紹介を心の中で齋藤赤彦、と反芻した。手違いとはいえ、逃げ出したいとはいえ生徒だから覚えておいて損などはないはずだ。で?の意味はよくわからないが唐突でプライバシーの欠けらも無い質問には嘘をついても意味が無いと素直に答えるとぱぁ!と顔を明るくする。
「えー!じゃあ俺ワンチャンあるじゃん!」
なんでそうなるんだよ。ワンチャンもネコチャンもねえよ。表情筋は困り顔のままはは…と苦笑いを零しながら心の中では静かにツッコミを入れていた。
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