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_ ” 病院 “
退院などまだできなく、医師がいいというまではここにいないといけないらしい。暗闇の中で親に言われた ” 逃げて “ という言葉は中々行動には起こせないみたいだ。
- - - - - * - - - - -
自分が目覚めるとここにはいないと思っていた二人が左右に座っていた。家から出ていく時、 “ 本当の理由 ” でもめていた二人がどうしてここにいるのかと不思議で仕方ない。
「 奏、っ...、大丈夫...? 」
「 奏くん...、 」
晶さんが自分を連れ去った理由は ” 宝石目当て “ 。 縷亜さんがストーカーをしていた理由は ” 監禁から解放するため “ 。 でも結局はどうせ宝石目当て。どちらと一緒に逃げるとしても奇病が治ってしまえば捨てられる可能性が大。
「 ...、どうしてお二人がここに?...、お部屋の前にたくさん宝石を置いておいたはずですが...、やっぱり、あれだけじゃ足りなかったですか?それとも...、お金にならなかったのですか? 」
自分がこの二人に必要とされているのは、自分自身ではなく、奇病の方。涙が宝石に変わり、それを売ればお金になるから。自分の生きる価値は特にない。宝石を周りに渡してればいいだけという、ただ利用されているだけ。ここに二人が駆けつけてきたのも宝石が足らなかったか、いいものがあまりなかったからかのどちらかだろうと思い、泣こうとし、宝石を出そうとする。
「 奏、待って。 」
「 俺達は宝石が欲しくてきたんじゃないから 」
「 ...、それならば、体、でしょうか...?...、一応、満足させるくらいまではできますが...、 」
宝石以外に自分に求めるものは何だろうと考えた結果、行き着いた答えは ” 体 “ だった。性処理にされようが構わない、もう要らない者なのだから。
_ ” 生きてる意味なんてない。宝石か体さえあれば、周りは満足する。自分はもう、要らない。 “
「 体でも宝石でもないものだよ 」
「 奏くんにしかないものだよ 」
体でも宝石でもない、自分にしかないもの。そんなことを言われてももう何もない。自分自身などもう要らないものに入ってる為、思い当たるものが一つもなかった。ずっと悩んでいると二人が口を開いた。
「「 それはね...、奏、自身だよ 」」
_ ” 宝石が欲しかったんじゃないの ? “
そんな考えが浮かんでくる中、この後二人がするであろうことを考えた。また監禁でもして、また何も食べられなくて、宝石だけあげて、たまに性処理でさせられて...。またいつもと同じ日々が繰り返されるのだろう。それは嫌だ、なんていう自分の考えは取り消され、遂には嫌という感情でさえもなくなるかもしれない。
「 ねぇ...、奏。俺さ、監禁なんかして、宝石欲しいとか言ってさ...、幸せ教えるとか言ってたの嘘に聞こえたよね。ごめん...。もうこの言葉信じて欲しいとか思わないから、俺と一緒に逃げようよ...。ニュースで奏のこと取り上げられてて、ここを退院すればマスコミとかがいっぱいくる。だから一緒に逃げて、楽しく、暮らそうよ...、 」
「 ねぇ、奏くん。ストーカーなんかしてごめんね...?本当はずっと気になってただけなんだよ...、いつも事故とか事件に巻き込まれて、助けに行こうとしてたんだけど、いつも同じとか思われてストーカーいるんだってばれたくなくて。一回も助けにいかけなかった。ほんとごめん...。でも、これから守るから...、俺と一緒に来て...、? 」
二人がどうしてここまで一緒に連れ出そうとするのか意味がわからなかった。事故は起きる前までは宝石とお金が欲しいと言っていたのに。やっぱり、テレビというものが関係してるのか、それとも単に二人で話し合ったのか。
_ “ この人たちの本音がわからない ”
「 ...、逃げるのなら、僕は一人で、逃げます。 」
_ “ そう。もう味方は要らない。 ”
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