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突然の辞令 …5
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グチュグチュと音を立てるのは、石鹸か、それとも別のものか。
石鹸の滑りで得られる感覚は、今までにない快感を呼んだ。
(僕の、バカっっ、なんでっ……なんで、こんなに、感じちゃうの?んん……っ!ううっ、なんでっ?気持ち良すぎて……困るぅっ!!)
アルフレッドから与えられる刺激に気持ち良さを感じつつも、それに比例して、辛い気持ちも募るルシエルであった。
なぜなら、次にこうやって触れ合えるのは7ヶ月も先になるからである。
それなのに、こんな風に快感を与えられれば、意志の弱い自分はソレに溺れてしまうかもしれない。
前世のように、虚しい自慰を繰り返す日々がまた訪れるかもしれない。
そんな事を考えた。
「っ、あぁん!」
アルフレッドが、ルシエルを導くように手の動きを早くした。
もう片方の手は乳首への刺激を続けている。
(辛い……っ、けど、もしかしたら、これが最後の行為になるかも知れない、っっ)
そんな複雑なこともルシエルの頭を過る。
留学先で誰が良い人を見つけるか、もしくは、離れている間に新しい婚約者が出来るか……アルフレッドが、次に会った時にまた自分を求めてくれる保証などない。
ルシエルの頭はグルグルしていた。
「何を、考えている?」
不意に、アルフレッドが手の動きを緩めた。
「な、なに、もっ!」
アルフレッドの手は竿から外れ、タマへと降りる。
ゆるゆるとタマを手のひらで揉まれた時、その指が後ろの孔を掠めた。
「は!う……ああっっ!」
「……これが、イイの?」
アルフレッドは意識していなかったのだが、計らずに指が掠めたアナルへの刺激に、ルシエルは思わず仰け反った。
アルフレッドが、ルシエルの様子を見ながら手のひらでタマを転がすようにゆっくりと撫でる。
そして、指先がまたアナルを掠めた。
その刺激は、ルシエルの脳天を突き抜けるような快感を呼ぶ。
「あっ!やっ!ダメェ!!」
不意に与えられたアナルへの刺激……と言っても、少しアルフレッドの指が掠めただけだが……ルシエルはそこへの刺激を無意識のうちに求めていたために、僅かな刺激が大きな快感を呼んでしまった。
「あっ!あっ、ああ、っ!」
(もっと!もっと触って欲しい!……っていうか……挿れて、欲しいっ!!)
ルシエルは思わず涙を流した。
もっとちゃんとした刺激が欲しい。
もっと触って……そして、アルフレッドのモノを、自分のナカに挿れて欲しい。
そう叫びたかった。
けれど……出来なかった。
もし、この身体でその快感を知ってしまえばどうなるか。
それを考えたら、怖くて出来なかった。
なぜなら、前世のように自分は自慰行為に溺れてしまうだろうと想像できたからだ。
快感に弱い自分は、アルフレッドではない別の誰かに、身体を求めてしまうかも知れない。
別れた時のことを考えたら、尚更のことだった。
「あ、アル!ある……ぅ!もう、ダメぇ!い、い……っ、あっ、ん、んん」
(ダメ!言えない!)
ルシエルは必死で身体を捩って、アルフレッドへと腕を回した。
「ルゥ?……んっ、ルゥ……」
アルフレッドは、ルシエルの様子がおかしいのは、明日自分が旅立ってしまうせいだと考えた。
実際、アナルセックスを知らないアルフレッドは、ルシエルの考えていることや辛さを知る由も無い。
そんなアルフレッドに、ルシエルは自分から唇を重ねた。
今、口を開けば、余計な事を言ってしまいそうだったからである。
「んっ、ふぅ……っ、ん、ん。アル、っ……ある、ぅ」
自分を必死に求めるルシエルを、アルフレッドは単純に可愛いと思った。
同時に、この可愛い恋人と離れなければならない事を悔しく思い、改めて決して逃すものかと心に誓った。
「ルゥ……次に会うときまで、誰のものにもなるな。……お前は僕のものだ。忘れるな」
アルフレッド以外に抱かれる気なんて、ルシエルはさらさらない。
いろんな感情や想い……主に今後の不安が涙となって、ルシエルの目から次々と溢れた。
「んっ。アル……っ。う、ん。……うんっ」
アルフレッドが、ルシエルを浴室の壁に押し付けた。
ルシエルの両足を跨ぐようにして身体を密着させる。
「は、あ!……っ、ああ!」
アルフレッドが、自身の昂りをルシエルの股の間にねじ込んだ。
それはタマを掠め、アナルを掠めた。
「や!!や、あ!……はぅ、ん!」
そそり勃つ熱棒がアナルを掠める感覚に、ルシエルはガクガクと震えた。
「アル!アル、ぅ!……い、い……あぁ!」
(欲しい!アルが欲しい!……挿れ、て!挿れてぇ!)
ルシエルは股間をアルフレッドの下腹部に押しつけるようにして腰を動かす。
実際は、アルフレッドの熱棒にアナルを擦り付けたのだが……。
「ルゥ。……ルゥ、っ」
「ん、んんぅ!」
アルフレッドと自らの間で擦れるペニスは、あっという間に昇りつめて、弾けた。
その後二人は、朝までほとんど眠らずに抱き合った。
別れの時はお互いグッタリしていて、ある意味悲しむ間も無く照れ笑いしながらの別れとなったのだが、それはお互いにとって悪いものではなかった。
アルフレッドが旅立った一週間後、ルシエル達は新学期を迎えた。
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