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「綺麗な花の育て方」 …2
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「くくっ……今頃、アレを読んでるだろうか……」
「んっ、あっ……ん。……でんか、ぁ」
ルシエルが『綺麗な花の育て方』を読んでいた頃、イーサンは自室で男を組み敷いていた。
この国でイーサンに与えられた、従事の一人である。
以前よりイーサンに対して熱っぽい視線を寄越していたのだが、今日はどうしても男を抱きたくなったイーサンが、寝室に召し上げたのである。
「あ、ァ!ん!ん……っ!」
従事を四つん這いにして、後ろからガツガツとイーサンが突く。
眼下のしなる背中を見ながら、イーサンはルシエルの事を思い出していた。
(無垢な顔してあんな本を読むなど……ククッ。一体どんな顔をして読むのやら……クッ)
イーサンは知っていた。
『綺麗な花の育て方』と言う本の内容を。
イーサンは、ルシエルがそれを読む事を想像したら、誰でもいいから抱きたくなったのだ。
アレを読むと言うことは、男同士のセックスに興味があると言う事である。
もしかしたら『ヤリたい』と思っているかもしれない。
それを想像しただけで、イーサンは居ても立っても居られなくなった。
想像の中で、ルシエルを犯す。
何も知らなさそうなルシエルの顔を快感で歪めて、自分の楔を打ち込む。
泣くだろうか、それとも喘ぐだろうか……
考えるだけで口端がニヤリと上がる。
「あっ!あっ!も、イくぅ!」
「ハッ……ハッ……イけ、何度でも、イかせてやる」
それは、目の前の男に言ったのか、それとも、ルシエルに言ったのか……
「あぁ、あ!!」
イーサンの絶妙な動きに、男は呆気なく果てた。
しかし、イーサンの動きは止まらない。
精が尽きるまで、イーサンは何度も何度も頭の中でルシエルを犯した。
「本は、面白かったか?」
「……え?」
それは、数日後の放課後。
ルシエルがジローと一緒に中庭の花壇の雑草を抜いていた時である。
「"綺麗な花の育て方"」
「……っっ」
イーサンの言葉に、ルシエルは動きを止めた。
「ククッ。その顔は、読んだな?」
ルシエルの反応を見て、イーサンは楽しそうに笑った。
隣の花壇でジローが二人の様子を伺うが、二人の向こうにいたイーサンの護衛と目があった途端、その目の恐ろしさについ目線を下げてしまった。
とりあえず、会話の邪魔は出来なくても、ルシエルを一人にする事はしないようにしようとだけ決めて、草抜きの続きに戻った。
「……」
イーサンの様子から、彼が本の内容を知っているのでは?と思い至ったルシエルは、その顔を青くした。
男は好きじゃないと啖呵を切っておきながらあんな物を読んでいれば、もう言い逃れできない。
「ルシエルはどの場面が気に入ったか?……私は、中盤あたりの目隠しから始まるシーンが好きだなぁ。ククッ」
イーサンがそう言いながら、ルシエルの隣に同じようにしゃがみ込んだ。
少し動けば、肩が触れそうである。
「……っ。いえ、何のことでしょう……」
とりあえずルシエルはそうやってシラを切る事を選んだ。
と言うか、それしか思い浮かばなかった。
イーサンは楽しそうに笑いながら、ルシエルを眺める。
「興味があるのは、攻めか?……受けか?」
「……何の、でしょうか?」
ここでもシラを切ったルシエルだったが、そう返してしまったことを直後に後悔する。
イーサンが、ルシエルの耳に触れそうな位置に唇を持ってきて、甘い声でこう呟いたからだ。
「男とのセックス、だよ」
「〜〜っ、っ」
この時ルシエルは、蛇に睨まれたカエル状態だった。
もう、動くに動けない。
ルシエルのそんな様子に、イーサンは満足そうに微笑んでこう言った。
「私がお前を"綺麗な花"に育ててやろうか?」
「!?!?」
イーサンの言葉に、ルシエルは慌てて立ち上がった。
"綺麗な花"とはすなわち、昨日読んだ本の"受け"の男の事だ。
つまり、受けとして開発してやろうと言われた訳である。
「ぅ、あ」
それまでしゃがんで作業していたせいか、突然立ち上がったルシエルは目眩を起こした。
フラリと傾いたルシエルに気付いたイーサンは素早く立ち上がり、ルシエルの腰を支えた。
側から見れば、ルシエルが抱きしめられているような格好で。
それを見ていたジローは、思わず「あっ」と叫んでしまった。
先程から、近過ぎる二人をどう引離そうかと考えていたジローは、二人の雰囲気を打ち壊すように声をかけた。
「る、ルシエル!目眩?大丈夫っ?ランバート先生を呼ぼうか?」
その呼びかけにハッとなったルシエルは、慌ててイーサンから一歩離れた。
「だだ大丈夫!えと、イーサン様、すみません。ありがとうございました」
イーサンは妖艶な笑みをルシエルへと向けて、再びルシエルの耳元へと唇を寄せた。
「私なら、いつでも相手して差し上げよう」
「っっ!!」
最後、イーサンの唇が、ルシエルの耳をかすめて、ルシエルは思わず顔を真っ赤に染めた。
その様子に満足そうに笑ったイーサンは、ニヤリと笑いながら「ではまた」とその場を言って去っていった。
「ルシエル、どうしたの?大丈夫だった?」
イーサンの護衛が背を向けてから、ジローはルシエルに駆け寄った。
「大丈夫。……なのかな?うぅ」
この日以降、イーサンから色仕掛けを受けるようになったルシエルであった。
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