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ゲーム、進展? …5
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「ヤキモチを妬かれて、嫌な訳がないだろ」
「……っ!」
そう言ったアルフレッドは、その唇をルシエルの耳に寄せた。
啄ばむようなその仕草に、ルシエルの肩がピクリと反応する。
ルシエルの腰に添えられていたアルフレッドの手は、いつの間にか抱き寄せるような形になっていた。
離れの宮が見えてきたところで、アルフレッドが後ろに目配せをして、それぞれの従事を下がらせた。
「確かに、彼女の造る薔薇園に期待はしている。けれど、それだけだよ。それ以上の感情は、ない。私の特別は、ルゥだけだ」
アルフレッドの唇が、今度はルシエルの頬に触れた。
「それに、薔薇園は母上……王妃の管轄であり、私が面倒を見る必要はないんだ。ね?だから、ルゥがヤキモチを妬くなら、私はあちらには顔を出さないよ。……何より私はここで、ルゥと一緒に好きな花を育てる時間を大事にしたい」
そう言って、恥ずかしそうに笑ったアルフレッドを見たルシエルは、先程までのモヤモヤが吹き飛ぶ気がした。
「でも……いいの?」
「何が?」
(もしかしたら、マリエは、アルの運命の人かもしれないんだよ?その出会いを潰してしまっても、いいの?)
と言う思いは、ルシエルの口から発せられることはなかった。
ゲームの中では、出会って恋に落ちる二人。
それを応援するような事をルシエルが言えるはずもなかった。
「ううん。……ありがと。一緒にいてくれて」
そう言って、ルシエルはアルフレッドの腰に抱きつくように手を回した。
それに応えるように、アルフレッドもまたルシエルの背に腕を回して抱き寄せる。
「私が学生でいられるのも後少しだ。……こうしてルシエルと自由に会えるのも、後、僅かなんだ。だから……」
そう言って、アルフレッドはルシエルを強く抱きしめた。
学園を卒業すれば、王室の人間として日々忙しく働く事となる。
つまり、離れで好きに過ごせる時間も今以上に限られ、ルシエルと恋人として会える時間が減る事になるのだ。
「うん。……うん」
アルフレッドの言葉をしみじみと感じながらルシエルは頷いた。
マリエはアルフレッドルートに入った。
つまり、あの様子から察してもアルフレッドに恋をしているに違いない。
しかし、今のところアルフレッドがマリエに心を奪われている様子はない。
もしかしたら、ゲームで言うところのバッドエンドに向かっているのではないか、とルシエルは考えた。
もしバッドエンドであれば、ミシェルに被害が及ぶこともないし、マリエにアルフレッドを奪われる事もない。
ルシエルの望む、ラストだ。
ただ、これはゲームではない。
バッドエンドやらハッピーエンドやらで割り切れる世界でない事はルシエルにも十分分かっていた。
それに、ゲームではないのだから、人生を終えない限りはエンディングが訪れる事もない。
それらを分かっていても、ルシエルは"バッドエンド"を望まずにはいられなかった。
そんな事を考えつつルシエルはアルフレッドを見上げる。
ゲームの攻略対象者ではない。
一個人の、アルフレッドという自分の恋人を。
「……離れたくない」
ルシエルの口から漏れたそれは、色んな想いが込められた言葉だった。
アルフレッドと、離れたくない。
こうして会える間は離れたくない。
もし会える機会が減っても、出来れば離れたくない。
そして、できる事ならば一生側にいたい。
本音は、ゲームなんてどうでも良いのだ。
ただ、愛する人の側にいたいのだ。
「私もだ」
アルフレッドがルシエルの言葉をどう受け取ったのかは分からなかったが、ルシエルはそのアルフレッドからの返事を聞いて、幸せで震えた。
アルフレッドに優しく頬を包まれ、温かい唇が触れる頃には、ルシエルの頬を涙が伝った。
ようやく離れたアルフレッドの唇は、今度はルシエルの涙を拭うように頬を滑る。
涙が乾く頃、その唇は耳たぶを食み「チュ」と音を立てた。
その音に、ルシエルがハッと我に帰る。
「あああ、アルっ!ここ、外っ!」
「ん……だね」
アルフレッドの唇が、首筋へと降りていく。
「っ!!……あっ、だから、ダメ、だって!」
「なら、部屋の中なら良いんだ?」
「えっ?」
そう声にした直後ルシエルの身体はフワリと浮いていた。
いわゆる、お姫様抱っこをされていた。
「ちょ!だから!アル!」
アルフレッドが器用にドアを開けて、離宮へと入る。
そして、優しくルシエルを降ろした。
ルシエルが腰を下ろされたのはドアを入ってすぐのリビングのテーブルの上である。
「あ、んんっ……ちょっ!ぁ、や!こんな、とこ、でっ!あ、ふ……っ!」
「ん……っ、ベッドまでの、距離すら、惜しい」
ルシエルの抵抗もなんのその、アルフレッドはどんどんと口付けを深くしていく。
ルシエルの舌を絡めとり、吸い上げ、上下の唇を甘噛みした。
荒々しいながらも自分をこうして求めてくれる事に嬉しさを感じながら、ルシエルはアルフレッドを受け入れる。
キスをしながら、アルフレッドが器用にルシエルの靴を脱がしていくのに気付いたが、羞恥より嬉しさが勝ったため、止めなかった。
キスだけでお互いの息が上がる頃、ルシエルはある事に気付く。
脚の間に身体を埋めているアルフレッドの中心が、いつの間にかその存在を主張している事に。
「っ!ん、んんっ!」
グリグリとルシエルの尻に当たるそれは、リズムを刻むようにして押し付けられた。
(アルの、もう、こんなっ!)
キスだけで勃ち上がったアルフレッドの逸物に腰を震わせた直後、ルシエルはズボンに手を掛けられた事に気付く。
「あっ!やっ!……だ、めぇ!」
ボタンをアッサリと外されたズボンは、あっという間に下着と共に足から引き抜かれた。
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