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旅の恥はかき捨て …14
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ルシエルは歓喜に打ちひしがれていた。
人生で初めて告白されて、初めて告白して、初めて両想いになった事。
何も考えない。考えたくない。
前世も、ゲームも、何もかも今は忘れたかった。
ただアルフレッドの事だけを感じたい。
どのくらいそうしていたか分からないが、気付いた時には、ルシエルの腰が立たなくなるほどアルフレッドを感じてしまっていた。
「ん、ふ……っ」
カクカクと震えるルシエルをアルフレッドが力強く抱き寄せた。
「あの日、初めて会った時から求めていたんだ。……今日はもう、我慢できそうにない」
アルフレッドの言葉にルシエルが頬を染める。
その反応に気分を良くしたアルフレッドは、軽々とルシエルを横抱きにした。
「わっ!えっ?」
「歩けないだろう?これから、屋敷に戻る」
「えっ?」
「この機会、逃す気は無いよ」
「えっ?ちょっ」
それから、アルフレッドは人を抱えてるとは思えない速さで馬車まで戻った。
従事に片付けを頼み、アルフレッドとルシエルは馬車に乗り込む。
屋敷に戻ると御者に告げて馬車が出発すると、アルフレッドはルシエルを膝の上に座らせて抱き寄せた。
「嬉しい。君が僕の元に現れてくれただけでも嬉しかったのに、更にこの腕の中にいるなんて……信じられない」
そう言って頬をすり寄せるアルフレッドを見て、ルシエルはこれは夢ではないかと思った。
この国の王太子の膝の上で、こんな風に愛を囁かれるなんて。
と、考えてから、ルシエルはハッとなった。
「あ、あ、アルフレッド様!その、降ろしてくださいっ」
まさかこの様な無礼が許されるはずもない!とルシエルは焦って身をよじった。
が、アルフレッドはルシエルを抱きしめたまま、離さなかった。
「君は全く重くない。……それに、ここは二人きりだ。何も気にすることはない」
「しかし……」
「む……では、そうだな。決まり事を作ろう」
「決まり事?」
ルシエルが首をかしげると、アルフレッドがニヤリと笑った。
「二人の時は、身分を気にするな。そうだな……敬語は止めるように。あと、呼び方も変えよう」
「えっ?」
呼び方?とルシエルが再び首をかしげると、ルシエルの耳元に唇を寄せて、アルフレッドが囁いた。
「ルゥ?」
「〜っ!!」
顔を真っ赤にして狼狽えたルシエルを、アルフレッドは満足げに見つめた。
「僕の事は……アル、と」
「えっ?いえ、それはっ」
ルシエルは考えた、が、言える訳がない。
一国の王子を略称で呼ぶなど、有り得ない。
「僕が許すと言えば許すのだ。誰にも文句は言わせないよ?」
「ですが……」
「ほら、呼んで?ルゥ?」
「〜〜っ」
甘く優しく囁かれるその名前が自分の名前でないような、変な気分をルシエルは味わった。
「じゃあ、せめて、様を付けるのはやめてくれないか?アルフレッドと、そう呼んで欲しい」
「っっ!そ、そのうち!そのうち呼ばせていただきます!が、今は、まだ……」
先程から耳元で囁かれて、それだけで腰が砕けそうになったルシエルは、そうやって言い返すのが精一杯だった。
「まぁ、そうか。分かった。そのうち呼んでくれるのを楽しみにしているよ」
アルフレッドは、それを言い終わるわ否や、ルシエルの耳をパクリと咥えた。
「ひゃ!」
耳たぶを舌で転がすようにしてから、耳の穴へと舌を這わす。
「あ、や、やっ」
くすぐったい。けれど、体の中心がムズムズするのを感じて、ルシエルは身をよじる。
無意識にピクピクと跳ねるルシエルの膝にアルフレッドが手を乗せて、ゆるゆると撫でながら、その手を足の付け根へと移動していった。
「あ、あ……や、っ」
震えながらも嫌がるそぶりを見せないルシエルに、アルフレッドは幸せな気持ちになっていた。
と同時に、必死に自分のモノが反応しないように落ち着かせていた。
キスがしたかったが、ここでしてしまえば間違いなく自分のモノは勃ち上がるだろうと容易に想像出来た。
触れているだけでどうにかなりそうだった。
過去の全ての性行為がバカらしく感じるほど、ルシエルに触れることはアルフレッドに大きな喜びをもたらせた。
早く屋敷に着け、とアルフレッドは願う。
「君と出会えた事を、神に感謝する」
「……っ!」
なぜか聞いたことのあるようなアルフレッドの言葉に、ルシエルはピクリと反応した。
どこで聞いたのか、と考えたところでチクリと頭が痛んだ。
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