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旅の恥はかき捨て …16
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「どう、した?」
アルフレッドは優しく頬を撫でながら、ルシエルに聞いた。
「いえっ、、そのっ」
どう説明していいか、ルシエルは分からなかった。
自分でも分からない、未来への不安。
先のことは気にしないと思っても、どうしても色んなことが頭にチラついた。
今後、自分は妻を娶り、家のために子孫を残さねばならない事。
なのに、アルフレッドを知れば、もう女を抱けなくなるかもしれない事。
そして、前世に独りよがりの行為に溺れた事。
快楽への弱さは、今世の自分も引き継いでいるかも知れない事。
--自分は、アルフレッドとの行為により、どう変わってしまうのか。
そんな戸惑う姿を見せたルシエルに、アルフレッドは身体を起こした。
「すまない。……その、僕は女の抱き方しか知らない。だから、その、怖がらせたのなら申し訳ない。嫌なら、無理強いは、しない……」
「え?」
ルシエルの考えていた事とは全く違うところで、なぜかルシエルに頭を下げたアルフレッド。
そのアルフレッドの言葉の意を理解して、ルシエルは泣きそうな気持ちになった。
こんなに自分の事を想ってくれている人の前で、自分は何を怯えているのだろうと。
アルフレッドがせっかく自分を求めてくれているのに、さらに、こうやって気遣う様に真摯に接してくれているのに、なんて失礼な事を口にしてしまったのだろうと。
ルシエルはグッと手を握りしめた後、自分も身体を起こした。
「あの……その、はじめて、なので……怖い、と。そう、思ったのです。アルフレッド様の事を怖いと思ったのではありません」
これだけは伝えねば、とルシエルは一生懸命に思いを口にした。
「しかし……改めて思えば、僕はル……ルシエル君に対して、失礼な事をしているのではないか?もし、初めて、ならば、男とこう言う事をするのは、嫌なのではないか?」
アルフレッドに"ルシエル君"と呼ばれた事で、ルシエルの身体の熱は一気に引いた。
先程、二人きりの時は"ルゥ"と呼ぶと言ったのに、君付けで呼ばれた事に距離を感じてしまったからだ。
その事が切なく、寂しく、ルシエルは腹を括った。
「嫌ではありません!嫌ではないのです!……抱いて下さい。女のように、で、構いません、から……っ」
そう言ってルシエルはアルフレッドを見上げた。
アルフレッドは眉根を寄せて、困ったようにルシエルを見返した。
「そのような事を言わせてしまうとは……僕は」
アルフレッドは何か勘違いをしている、とルシエルは思った。
抱かれたいのは本心なのだ。
決してアルフレッドに気を使っているわけではない。
それを伝えたいのに、うまく伝わらない。
どうすれば……と考えて、ある方法を思いついた。
ルシエルはアルフレッドの胸に顔を寄せる。
そして、そっとその背に腕を回した。
アルフレッドがピクリと反応したが、構わない。
離さないと伝えるようにギュッと力を込めてから、こう言った。
「ね?お、お願い。だ……抱いて?僕が嫌と言っても、やめないで?初めては、あ、アルが、良いから……っ」
アルフレッドが息を飲むのをルシエルは感じた。
ここに身分の差は無い。気を使っているわけではない。
それを伝えるために、ルシエルは先程のアルフレッドとの決まり事を思い出して、敬語をやめる事にしたのだ。
「お願い。続き、して?アル、の、好きに、して……っ」
ルシエルがそう言うと、アルフレッドは痛いくらいにルシエルを抱きしめた。
「あぁ、ルゥ……ルゥっ」
そしてルシエルを再びベッドに押し倒した。
すぐに熱い舌がルシエルのそれと絡ませられる。
「んっ……ルゥ」
キスの合間に、アルフレッドが囁く。
「ルゥ、好きだ」
「ん、は、ぁ……っ」
アルフレッドの手が、ルシエルの胸を撫でた。
指が胸の飾りを見つけて、そこを腫れ物に触れるような強さで擦る。
「ん!ふっ……ぅぅ」
初めての快感に、ルシエルの腰は自然と跳ねる。
ルシエルの反応に安堵したアルフレッドは、今度は親指と人差し指でぷくりと反応し始めた突起を摘んだ。
「は、ぁあ!」
アルフレッドの指の動きに合わせて、局部に熱が集まるのをルシエルは感じていた。
前世ではあまり感じなかった乳首が、アルフレッドに触れられる事で一気に性感帯として目覚めた。
反対側の乳首を、アルフレッドが口に含んで舌で転がす。
「や、やだ……っ」
「っ、……嫌、か?」
ルシエルの言葉に反応したアルフレッドが、唇を離して顔を上げた。
「違っ……恥ずかしくて、その、ち……くび、感じるの、恥ずかしい、だけだからっ。……やめ、ないで」
潤んだ目で顔を真っ赤にしてそんな事を言うルシエルを見たアルフレッドは、全身の血が一気に局部に集まるのを感じた。
ルシエルは初めてだから怖いと言った。
それを言うなら自分もそうだとアルフレッドは考えた。
触れもしないのに、痛いほどに勃ち上がった自身。
ルシエルを感じながら達してしまえば、もう、ルシエル以外、抱けなくなるだろうと思えるほど。
それは王太子としては考えてはいけない事。
しかし、アルフレッドはルシエルが欲しくて仕方がなかった。
身体も心も、全てがルシエルを求めていた。
迷う事などなにもない。
「あぁ、可愛い過ぎて、もう……」
ルシエルの胸にコツンとおでこを付けて悶絶したアルフレッドは、すぐに愛撫を再開した。
乳首をクリクリと指と舌で転がす。
「気持ち良い?」
そう聞いたアルフレッドに、ルシエルは必死でコクコクと頷いた。
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