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Number:19
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目覚ましも鳴らず父が他社に電話をかけている声も聞こえない朝が来て何日経っただろうか。
早紀が行方不明になってから1週間弱。
怪我もほとんど完治し、だんだんとこの生活にも慣れつつあった。
「よぉ早紀、朝飯あるから食っとけよ」
リビングへ向かうと、室内にも関わらず煙草を吸う冬夜の姿があった。
「すっかり俺に甘くなりましたよね」
呆れつつも用意された朝食に手をつける。
今日は龍もユウもいないようだ。
「昨日のこと、あんま気にすんなよ。香織ちゃんを殺すっていうのはアイツなりのケジメでもあるんだしよ」
「分かってます。俺には関係ないことだし大人しくしてます」
安心したように微笑むと、冬夜は自室へ向かっていった。
『…尚、現在も明坂早紀さんは行方不明の模様です。』
ニュースでは相変わらず早紀のことが報じられていた。
ここまでTVで取り上げられているくせに警察の捜査がこの家に及ばないというのは探す気がないのか、それともkillersのガードが余程固いのか、といったところだ。
ぼーっと天井を見つめながら呟く。
「あいつ、本当に殺すつもりなのかな」
「いよいよ明日だな。覚悟はできたのか?」
「とっくに出来てる。俺は殺し屋だ」
あっという間にその日は来た。
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