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その夜は、やけに騒がしかった。
カーテンの隙間から見える赤い光はパトカーから発されたものだろう。
「やっと本気出しやがったみてぇだな、警察も」
特に焦っている様子はない冬夜が窓から外の様子を伺っている。
「ていうか龍はどこ行ったんですか......」
早紀はいつの間にか龍が出かけていたことに気づき、ため息をつきながら冬夜を見た。
「お、名前呼ぶようになったんだな。あんなに嫌がってたのに」
「そ、そんなことどうでもいいでしょ!どこいったか知りませんか?」
冬夜も心当たりが無いようで、困ったように腕を組んだ。
「今回ばっかりは俺も分からねぇな」
「僕も予想つかないや」
「もし警察が来たら.........あれ...?」
早紀は警察が来たらどうしようなんて心配している自分に違和感を覚えた。
警察が来れば家に帰ることになる。普通の生活に戻れるはずなのにどうしてこんなにも不安なのだろうか。
「でも龍ならこういう事態は想定してるはずだ。戻ってくるだろ」
その時だった。
インターホンが鳴った。
「警察の者です。お時間頂けますか?」
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