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「お前らいつまで寝てんだ?早く行くぞ」
いつの間にか夜が明け、冬夜の声で目を覚ますと早紀はこの家を出ることを思い出した。
「あっ!すぐ準備します!...したいんですけど...あの...」
龍に抱きつかれ身動きの取れない早紀は、困ったように冬夜を見た。
「おい、起きろ」
2人に近づくなり冬夜は龍を一殴りした。
「っ...て......こりゃまた気分の悪い目覚めだ」
面倒くさそうに欠伸をしながら龍は立ち上がった。
「...俺またこれなんですか...?」
早紀は綾瀬から受け取った服をとりあえず着てしまったが、女物の服だったことに今更後悔していた。
「まぁこれが1番バレないからよくない?」
他人事のようにケラケラと笑いながら綾瀬は先に家を出ていった。
「...龍、俺...変じゃない?」
不安げに龍を見つめると、龍は変わらぬ調子で言った。
「可愛い」
「はぁ!?お前天然なの?」
顔を真っ赤にしつつ早紀は綾瀬の後に続いた。
「お前本気で言ったのか?」
「あいつ反応おもしれぇからな」
冬夜の質問にふっと笑うと、龍は家を出た。
「引っ越してどうするつもりだよ」
引っ越しは龍の提案だったようで、家を出たところで冬夜が改めて聞くと、龍はじっとドアを見ながら答えた。
「とりあえず新しい家に行けば多少は警察の目も欺けるだろ」
「そうだといいけどな」
家に別れを告げるようにひらりと手を振ると冬夜は綾瀬たちの元へ急いだ。
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