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「俺好きなんて言ってないだろ!」
焦ったように首を振り否定する早紀を見ながら龍は笑った。
「そうとしか見えない」
確かにキスを求めたり何だかんだそう見える点は多々あったが早紀には好きなどという自覚はなかった。
「じゃあ俺が好きって言ったら...?」
声と同時に龍との距離が縮まる。
「...そ、それは......」
早紀は戸惑いからか視線を逸らしながら後ずさりする。
「それは?」
龍の顔が目前に近づく。
「...嫌じゃない......かもしれ」
そう言いかけた時、唇を塞がれた。
そのキスも嫌ではなく、むしろ気持ちいいものだった。
「...じゃあ好きって言っとくわ」
「なんだよそれ...」
キスがしたいのか龍への好意からなのかは分からないが、早紀は自ら唇を重ねた。
「ん...ッんむ...っ...」
侵入してくる舌に自分の舌を絡めたり、激しく吸い付いたり。
もっと、もっと。
互いが求め合うようにキスをする。
そんな甘いキスをしながら早紀は気づいてしまった。
『キスが気持ちいいのではなく、龍とするものだけが気持ちいい。』
知りたくなかった感情が芽生える。
「...りゅ...う...」
龍のことが好きなんだと、気づいてしまった。
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