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松居冬夜、18歳の夏。
「龍、進路決まったか?」
「お前には教えねぇよ」
「お前まじで友達いなくなんぞ」
校舎裏で煙草を持ちながらそんな会話をする。
「こんな非行してる俺らがまともに進路決められるかよ」
龍は鼻で笑った。
「ま、俺はとりあえず近所のスーパーに就職でもするかな」
「夢とかねえのかよ」
「夢ねぇ......幸せな家庭を持つこと、かね」
冬夜にとって、ただ何気ない日常が1番の幸せだった。
少し考えた後、龍が口を開いた。
「俺とつるんでる限りお前は幸せになれねぇよ」
「は?」
珍しく少し言葉に詰まりながら龍は続けた。
「これからはあまり俺と関わらない方が...いい。」
「何言ってんだ?訳わかんねえこと言うなよ」
熱でもあるのかと冬夜は龍の顔を覗き込んだ。
「ッ触んな...」
焦ったように顔を逸らす龍。
「龍、お前疲れてんじゃねえの?」
「...あぁ、夏バテかもな」
そう言うと龍は足早に去っていった。
「なんなんだあいつ」
なんとなくだが、何か嫌な予感がした。
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