アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
隠伏
-
あの日から僕は抑制剤を手放すことは出来なかった。
市販の抑制剤ではあまり聞かず、渋々病院に行った。
お世話になった先生だ。抑制剤をくれと言ったらきっと理解してくれるだろう。
あの病院の先生には何度もお世話になっている。いや、1番お世話になっているかもしれない。
なぜなら、あの人は………僕の第2の親……だから。
……あのときは
「橘 凛月さん〜橘 凛月さん〜。」
「…っあっ、はいっ!」
「…?……診察、どうぞ??」
焦ってしまい返事をしたから、看護師が不思議そうにこちらを見てくる。
「す、すみませっ…」
僕は小走りで診察室に入った
「お、凛月くん。お久しぶり。」
「……辞めませんかその、仕事対応。」
僕は知っている。この人は仕事とプライベートじゃ全然人が違う。
「あ、バレた?まぁ、いいじゃん?真面目な時はちゃんとしなきゃね?」
「あんたに真面目もクソもあるんですか…、」
「凛月くん怒っちゃいやぁっ!バース判定の時だってちょぉおお、優しかっただろ???」
ドキッ
…バース……
「……お前、わかり易すぎ。バースの話になったら一気に顔曇った。
……何、そのバース……不満なの?」
「当たり前だろ!!!」
僕は立ち上がり怒鳴った。
自分でも想像以上に大きな声が出て、口を抑えた。
先生が、肘をつきながら僕を見上げる。
先生が笑いながら
「…………そ、まぁ、いんじゃない?」
僕はその時気づかなかった。先生の顔が少し、曇ったことを。
「……何、抑制剤取りに来たの??」
「…はい。」
「………相手はだれだ。」
「………っ言いたくな」
「言え。」
「………っ、藍原 郁哉さん……って人」
「……へ〜。……お前、そいつのこと、好きなの?」
「っえ?!///」
「何焦ってんだよ。図星か。」
「んなわけないだろ!……もう、あわないって決めたんだよ。」
「……それは、お前がほんとに会いたくなくて決めたのか?………それとも、オメガだから会うことをやめたのか。どっちだ。」
「……っ、……あ、いたくないからだよ。」
「そうか。……お前、言っとっけど、普通のオメガじゃないからな?……そう簡単に夢物語みたく、恋愛なんてできっこねぇからな。」
「…普通のオメガじゃ……ない?」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
41 / 69