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想い【琥珀side】
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「ふふ、今日はおめかししてきたの?いいじゃん、似合ってる。でも、涙目より笑ってる方がいいんじゃないの?」
そういいながらぽんぽんと頭を撫でてくれた
碧がそういうなら…
精一杯の笑顔を作る
きっと今までで1番の笑顔
「ん、可愛い!」
可愛い…?僕が…?
たとえ嘘だとしても嬉しい…!!
わしゃわしゃと髪を撫でてくる
「ぅにゃ!?やめろ!!この野郎!!」
びっくりして…というかドキドキして思わず手を払う
でも碧は意地悪そうに笑ってほっぺをむにむにしてきた
とても熱い手
「いひゃいらろ!ひゃめろ〜!!」
「ふは、ほんと面白いな!」
「いーかげん、はにゃせ〜!」
笑いながら手を離される
それまであった温もりが急に離れて少し寂しい…
「あれ?何落ち込んでんの〜?もしやMかな?」
意地悪そうにニヤリと笑う
「Mじゃないわ!!馬鹿!!」
「さっきから馬鹿しか言ってないぞ〜、ボキャブラリーどうした?」
笑いながらそう言われる
確かに言われてみれば馬鹿しか言ってない!!
ハッ…!!
危ない、忘れるところだった!!
聞かなきゃいけないことあるのに…!!
「あのさ…また明日も…会える?」
あー、だめ!!
顔から火が出そう!!
恥ずかしい!!
思わず顔を手で覆う
「ふふ、いーよ。明日はアイス買いに行こっか、てか名前は?」
「こは…」
言いかけて咄嗟に口を抑えた
やばい!!本名教えたら男ってバレちゃうかも!?
「こ、恋春(こはる)!!あ、でも、こはって呼んで…ほしい、出来ればでいいから!!」
万が一クラスの奴らに聞かれたらやばいからな…
「こはか…りょーかい。じゃあ悪いけどそろそろ俺の実守ゲージがなくなりそうだから行くわ〜、またな!」
またな!か…
たった一言なのにまた会えるってことがとても嬉しい…
こんなのまるで少女漫画に出てくるキャラクターの心情じゃん…恥ずかしい
「わかった、またね」
中庭の真ん中にある木にもたれかかりそのままずり落ちるように座り込む
やばい…
思い出すだけで口元が緩む
別に好きとか恋とかじゃない。
実守とかいう彼女さん?がいても落ち込まないし、僕にとっては憧れでいわば大好きなアイドルを見ているようなものだ
見てるだけで幸せ
また会えるなんて夢見たい
きっとそんな感じ……多分
この時まではそう思ってた
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