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喜びと不安【琥珀side】
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「へぇ…君が一期?」
碧は僕を庇うように立った
でも一期は碧を見ようともせずにずっと僕と目をあわせていた
ずんずんとこちらに向かって歩いてくる
一期の手が俺の肩にのびてくる
「俺の委員長に近づくな」
碧が鋭い目付きで一期を睨む
今までで聞いたことのないぐらい低く冷たい声で
俺の委員長…!?
僕の頭はその言葉でいっぱいになる
きっと僕を一期から守るために言った言葉なんだろうけど胸がキュッと押しつぶされる
ものすごい速さで心臓がバクバク言う音が聞こえる
碧が一期の胸ぐらを掴んで頬を殴る
バキッ
い、痛そう…
「碧、何も殴らなくてもいいよ、ほ、ほら、手形の跡だって一時的なものだし…」
また手を振りあげたところで一期のうしろにいた1人が口を開く
メガネをかけてて、ゆるふわの前髪は目にかかりそう
左目の下に涙ボクロがあり、引き込まれそうになるほど深い茶色の瞳
な、なんか怖い…
「まぁまぁ、その辺にしてあげてよ。一期は馬鹿だから一緒にゲーセン行こうって言いたかったのにデートって言っちゃったんだよ!それに…」
その人が僕にそっと耳打ちをする
「今、ここで君がそこの彼のことを好きだってばらされたくないでしょ?知ってるんだよ?中学の時は女装してまで追いかけてたもんね?」
……え?
今なんて?
どうしてバレてるの?
なんで知ってるの?
「は、はぁ?何言って…!!「じゃあ言ってもいいよね?」
遮られた…
どうしよう…
混乱して息がうまく出来なくなる
「委員長?大丈夫?」
碧が背中をさすってくれる
『気持ち悪い』
そう吐き捨てる碧の顔を思い浮かべる
そんなの嫌だ…!!
「さ、触るな!!」
咄嗟に碧にぶつけた言葉はやっぱり素直なものではなかった
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