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──リリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ
──リリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ
「………ん、ぁ…?」
──リリリリリリリリリリリリバンッ
「…うるさい……」
大音量で流れ続ける目覚ましのアラームの音に数回目でようやく反応した奏汰は、耳もとのスマホの画面を勢い任せに手のひらで叩いた。
もう少し寝たい…と再び丸まろうとしたところで体にのしかかる重みに気づいた。
「…にあ…。んん…じゃま…」
「ニャア」
ニアは一鳴きすると、てしてしと奏汰の頭の横まで歩き、前足で奏汰の頬をペシペシ叩き始めた。
「もー…なに…まだじかんん…あ、」
言いながらスマホで時間を確認した奏汰は、リマインダーの表示により今日が学園生活の初日であることを思い出し、顔を顰めた。
昨日の夜、どうせ忘れてるだろうと自分で設定したのをすっかり忘れていた。
くそ、本当に忘れてた。
ため息が出そうになる口を抑えつつ仕方ないと思い直し、まだ下がろうとする瞼を必死に持ち上げ覚醒に努めた。
初日からため息ばかりでは気分も下がるので。
────────────
「あ、おはよう!」
「……はよ」
支度を済ませリビングに出ると、こちらも既に支度済みの音がクロワッサンを食べているところだった。
「パン派?ごはん派?」
1つ勧められたが朝は食べない派なので丁重にお断りし、淹れてくれたインスタントコーヒーだけ飲んだ。
…うん、コーヒーにそんなにこだわりはないけど、佐々木がちゃんと淹れてくれるやつが飲みたい、なぁ。
音は最後の一口を口に詰め込みオレンジジュースで流し込むと、ぴょん、と椅子から降りた。
「いこっか!」
「ん」
「いってきまーす」
「いってきます。ニア」
どうせ聞こえないだろうけど、部屋で大人しく待っているニアに挨拶してドアを閉めた。
因みにニアのことは食事のときにもう話してある。苦手じゃないようで安心した。
────────────
少し早いからか、他の生徒の姿はほとんど見えない。
空気も澄んでいて気持ちいいし、たまになら悪くない。早起きは、辛いけど。
「そういえばニア、どうしてリビングに出てこないの?」
「…さあ?」
そういえば何故だろう。
「気まぐれだし、そのうち出てくるんじゃない?」
「そっか〜」
猫の気持ちとか、わからないし。ニアの好きなようにすればいい。
…案外、慣れてないだけだったりして。
「見たいの?」
「え?あー、まぁ、気にならないわけではないね!」
「そ」
なら、帰ったら紹介でもするか。
──────────────
「はい、ここだよ!」
そんなこんなで、くだらない話をしていたらいつの間にか教員室に着きました。
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