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異世界
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こいつらの言い分を仮に事実だとして。
そう考えると結構色々と辻褄が合うんだよね…
いつから思い始めたとか具体的な時期は分からないけど、自分がいるべき所はここじゃないような
世界から置いてけぼりを喰らわされているような妙な漠然とした疎外感が常に胸の中にあった。
両親と俺の容姿は似ていなかったけど、施設から俺を引き取ったという話だったから不思議に思った事はなかった。
それでも父さんと母さんは優しかった。それが記憶を操作されていたからかどうかは分からないけれど。
「あの…魔王様?」
「んー…なにぃ」
「何、ではなく私どもの話を信じて頂けたという事で宜しいでしょうか?」
「んー…さあねぇ。それでいいんじゃない」
「ど、どっちですか…」
あんまり座り心地の良くない玉座っぽい椅子の肘掛けに頬杖をつく。
窓の外はイギリスの天気が可愛く見えるくらいにおどろおどろしい曇天と稲妻が光っている。
その下にどこまでも広がっている鬱蒼とした樹海。そこから聞こえてくる断末魔のような謎の(多分)生物の鳴き声。
…まあ確かに、俺が魔王の息子だったって事は置いておくとして
状況的にも話的にもここが異世界だっていうのは本当っぽそうなんだよね。
…魔王、ねぇ
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