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パーティ
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魔王復活の報せは世間に瞬く間に広がった。
そして、報せから約半年が経った今でも我先にと向かう勇者は絶える事はなく、未だ魔王の噂はまことしやかに流れ続けていた。
そんな世間のとある小さな街の、がやがやと賑わう酒場。
その一角で、一人ジョッキを傾けるルカに近付く者達がいた。
「よう。ここ良いかい?」
そう言うものの、ルカが承諾する前に円卓につく数人の男女たち。
「私に何か用か?」
答えなど分かりきっていたが、取り敢えずの質問をぶつけてみる。
「用なんて決まってんだろ。オレ達パーティ組んでんだけどさ、勇者がいなくてよ。あんたに入って貰いたいんだ」
案の定、という返答にルカは眉間を少しだけ寄せた。
「すまないが、私は誰ともパーティを組む気はないんだ。他を当たってくれ」
飲みかけの酒をそのままに酒場を出て行くルカの後に続いて、尚もしつこく男達は絡んでくる。
「そんなつれない事言うなよ。なあ、あんたの力を借りたいんだよ。あんた、あの魔王を倒した勇者の弟子だったんだろ?」
確かにその勇者は己の師だったが、それ故に自分を仲間に引き入れたいという誘いをルカはもう何十回とされていた。
しかし、ルカはそのどれもを必ず断っていた。
理由は、そんなもの本当の仲間とは呼べないからだ。
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