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悩み
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勇者という生業をしている以上、討伐のために何人かで協力関係を築く事はあった。
けれど、ルカの力が目的で、それを保持しているという自慢をする集団など容易く関係は崩壊してしまい、終いにはそれをルカのせいにされる始末。
まるで自分をブランド物のように扱う者たちを、どうして背中を預けられるに値する仲間だと思えるのだろう。
従って、今回も当然断るつもりだった。
しかし、そんなルカの意思を揺らがせる言葉を聞かされる。
「なあそこを何とか。頼むよ、今アッシュさんが怪我して困ってんだよ」
「…アッシュさんが?」
アッシュとは、ルカと同じ勇者業をしており、まだルカが駆け出しの頃に世話になった先輩勇者だった。
恩ある先輩のパーティが困っている。
しかも、更に話を聞けばアッシュさんの怪我は酷いらしく、上級ポーションを使わなければ完治は難しいのだという。
しかし、上級ポーションは大変高価なもの。
そんじょそこいらのパーティがそう易々と手を出せる代物ではない。
そのためには魔王討伐に掛けられている賞金が必要なのだと聞いてしまえばもうルカに断るという選択肢は無いも同然だった。
今回だけという事とあくまでその先輩のためだという事を条件に、ルカは申入れを承諾したのだった。
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