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「うあああああああ!!!」
最初こそ大きく聞こえていた叫び声が段々と遠くなっていく。
「え…、ちょっとどこ行ったのよ!?」
「さっきまでここにいたのに…!」
「落ち着け。焦ると思うつぼだ」
「そ、そうね…」
「兎に角、ここからは慎重に行こう。探知スキルを使うんだ」
「分かったわ」
探知スキルを使ってこのフロアのトラップを調べていた女盗賊だったが、信じられないといった顔で言った。
「そんな…嘘、何で」
「どうした」
「何も引っ掛からないのよ!確かに何かのトラップでアイツは消えたのに、その痕跡すらも何もないのよ!」
「!?」
何だって?
「もう何なのよ!探知スキルに引っ掛からないトラップなんて──」
「! おい、うかつに近付くな!」
「え──」
止める間もなく女盗賊の姿は、彼女が寄り掛かった壁の向こうへと吸い込まれていった。
甲高い悲鳴が遠ざかっていく。
「…………」
何て事だ。この短時間で2人も失ってしまった。
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