アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
出鼻
-
入った瞬間、私はこの眼を疑った。
そこには──
「ンゴォ―――……」
玉座にだらしなく横に座って、本を顔に乗せた『人間』がイビキをかいて寝ていたのだから。
「……………」
私は部屋を間違えたのだろうか。
いやそんなはずはない…はずだ。
大きな広間に、数段上がった所にある玉座の椅子。
お師匠様から聞いていた通りの風景だ。
……その玉座の椅子に誰かが寝ている訳なのだけれど。
「…ンガッ」
戸惑いに動けずにいれば、鼻が詰まったような音がしてイビキが止んだ。
「んー…あーふぁ~ぁんおぉ~」
何とも言えない声をあげて伸びをする様をただ呆然と見つめる。
「あー…あ、暇。誰か来ないかなー…」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
19 / 156