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初客
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「おめでとう。あんたが記念すべき第一号のお客人だよ」
目の前で気だるげに振る舞う彼が、魔王?
「ど、どういう事だ…」
「何が」
「君が魔王であるはずがない」
「何でさ」
「何故って…君は人間だろう」
どこからどう見ても人間にしか見えない。
羽がある訳でもなければ鋭い爪も角もない。
そう言えば「あー確かに。ラスボス感ないね」と何故か納得するような応えが返ってきた。
らすぼす…?
「角ねえ…、んーちょっと待っててくれる?」
言うや否や呼び鈴を鳴らす彼。
「お呼びですか。魔王様」
音もなく現れたカラスの羽をもつ魔族の男。
間違いなく上級魔族だ。思わず身構える。
「ねえノヴァ、俺って角あるの」
「ありますよ」
「あるんだ。どうやって出すの。この人勇者なんだけど、角的なものがないと俺が魔王だって認められないって言うんだけど」
「おや、これはこれは…」
今し方やっと気付いたといった体で、ノヴァと呼ばれた魔族は品定めするように上から下まで不躾な視線を向けてきた。
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