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佳人
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「勇者じゃありませんか。魔王様が復活なされてから随分遅いご到着ですね」
くすくすと小馬鹿にしたような態度で見下してくる魔族の男をただじっと見つめる。
それが気に入らなかったのか濡羽色の翼を不機嫌そうに揺らして睨み返して来た。
「何です?ジロジロと失礼ですね」
「え。ああ、すまない。最近の魔族は美形が多いのかと思ってな」
「は?」
「あ、だよね。ノヴァって美人さんだよね」
「え!?魔王様まで何を…っ」
彼に褒められた途端、あたふたとし始めるノヴァ。
「そんな事より。早く角の出し方教えてよ」
「え、あ、はい」
だるーんと椅子からずり落ちそうな体勢のまま、ノヴァの話に緩ーい相槌を打ちながら聞いている自称魔王だという彼。
その隣に立っているノヴァは、彼とは対照に見紛う事なき上級魔族。
上級魔族は普通この世界一高いとされている火山よりも高いプライドの持ち主で、人間を何よりも意味嫌っている。
だからこんな風に人間に敬意を払うような態度など取るはずがないのだ。
そう考えれば、やはり彼は…
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