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記憶 sideアメ
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俺が魔王とやらになってから結構経ったけど、未だにこの世界の人間の誰ともと話せていない。
話し相手といえばノヴァがほとんどで、時々給餌のひととか兵っぽい動物モドキ。
この世界に呼び戻されたあの日、俺はノヴァに封印を解いて貰った。
蘇る数々の記憶。
ただ、そのどれもが断片的で不明瞭なものばかりで。ノヴァ曰わく、封印は解けたから徐々に思い出すだろうって。
その中に、俺の本当の父親だという魔王が敗れる最期の瞬間があった。
俺はどうやら見ていたらしい。
だからと言って、どうという訳ではないけれど。
記憶が戻って魔力も使えるようになってノヴァは喜んでいたけど、俺は正直どうでもよかった。
「さあっそのお力を人間どもに知らしめるのです!」とか言われてもねぇ…
それに、ここならもしかしたらって思ったけど…
座り心地の悪い、けど無駄にデカい魔王の玉座。
それに鳥系の魔族や魔物の羽毛を使ったクッションを置いて自堕落に過ごすのが最近の日課。
おもむろに手の平を広げて頭の中で念じると、魔法陣が現れてボッと炎が灯る。
続けて氷塊、風、水、土塊を順に出していっては飽きてポイッとその辺に捨てる。
掃除が面倒臭そうなシャンデリアを見ながら俺はこの『魔法』とかいうものを教わった日の事を思い出していた。
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