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被害
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そして、俺は城を改造して改造して改造して改造して改造して改造しつくした。
後は勇者御一行が来るのを今か今かと待つばかり。
………そう思ってたんだけどね。
「…何で誰も来ないのさ」
宣伝(魔王復活)もしたし、(やる気が出るように財宝あるよーっと)餌も撒いたし、死の樹海とかいう所に散らばってたモンスター…じゃなかった魔物の種類も配置も人間の心理的恐怖を最高に煽る布陣に変えたのに。(ノヴァ曰くモンスターと魔物は別物らしい)
外から悲鳴が聞こえてくるばっかりで、誰もここへはやって来ない。
「お言葉ですが魔王様…」
「あれ、ノヴァ。なんか久しぶりだね」
久しぶりっていうか、最近俺以外の人(じゃないけど)の気配が減った気がする。
アレンジした魔王の玉座――つまり俺専用の椅子にびろーんと座って、何故か疲労困憊といった様子のノヴァを見る。
「何でそんなに疲れてるの」
「何故と申されましても…お忘れですか魔王様」
「何が? あ、もしかして何か最近お城が静かな事と関係あったりする?」
「ご名答でございます」
「ふーん」
よっこいせと座り直して読みかけだった本を開く。
「ふーん、ではありません!魔王様が城に施した高等トラップ魔法に次から次へと我ら傘下の者が餌食になっているのですよ。ですから上級魔族ではない者は残らず樹海か城の周囲に回させたのでしょう!?」
あー、そういえばそうだったっけ。
「あれくらい避けれないとか有り得ないんだけど」
ていうか全然ノヴァの言う高等魔法じゃないし。ほとんどただの子供騙しみたいなもんだし。
おふざけでお化け屋敷定番のコンニャクどっきり作ってみたけど、あんなの引っ掛かる馬鹿とかいるの?
「…魔王様基準ではそうでしょうね。…本当に、本館だけでお止めしておいて良うございました」
本当はもっと仕掛けを作りたかったけど、そんな所まで勇者たちは踏み入らないから必要ないと止められ(実際は懇願され)、不本意ながら施工工事計画はこの玉座の間がある本館だけで終わった。
まあ、作り過ぎた自覚はあるよ。だって幾つ作ったか俺も覚えてない。
でもまあ大丈夫でしょ。毎日ここで生活してるけど、普通に暮らせてる(回避できてる)し。
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