アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
開始
-
「ていうかそろそろ元の恰好に戻っても良い?」
「え、もうですか!?」
「何か角重たいし、爪長くて邪魔だし。牙で口の中噛むし。疲れた」
「ああ、お待ちくださいっ、せめて一目だけでも他の者に…!」
ノヴァの声は無視して、目を閉じて頭の中で元の自分の姿を思い浮かべる。
ふっと軽くなったような感覚がして、目を開ける。
頭に触れてみるともうそこに角は無かった。
爪も歯も元に戻ってる。
「ああ、勿体ない…」と嘆く声を聞きながら、呆然としているままの勇者の人に話し掛ける。
「そういえば、あんた名前は?」
「え…ああ、ルカだ」
「そ。俺は雨(あめ)。宜しく」
「ま、魔王様! 軽々しく人間などに名を明かしてはなりません!」
宜しく、と言われて困惑したような表情を浮かべるルカの顔に無意識に口角が上がる。
「じゃ、ルカ。俺と戦ってよ」
「───え」
ステップするように床を軽く蹴って、ルカとの距離を一瞬で詰める。
目は…多分合ってないだろうけど、一応笑って、ルカの鳩尾(みぞおち)に魔力を纏った拳を打ち込んだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
36 / 156