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提案 sideアメ
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何か楽しみはないのかと問われて、頭が真っ白になった。
だって、何も思い付かなかったから。
「アメ、出来れば私は君とは争いたくない」
「ふっ飛ばされといて何言ってんの」
構えていたルカの剣先が静かに下ろされる。
「君はこちらの世界の人間に特に感情はないと言った。そんな君なら私達人間と魔族に良い関係を築けるはずだ」
「…………」
良い関係、ねぇ。
「ちなみに聞くけど、その良い関係っていうのは具体的にどういうの?」
「簡単に言えば、お互いに争わないというものだ」
「和平条約ってやつ?」
「そうだ」
ノヴァに聞いた話だと、人間と魔族のとの争いはもう何百年と続いているらしい。
その争いに終止符を打ちたいとルカは言っているのだ。
「んー…別に結んでも良いけど、人間同士でさえまだ争ってる所もあるのにそんな簡単にいかないと思うよ?」
「容易ではない事は分かっている。しかし、誰かがやらねば終わるものも終わらない。決して無駄ではないはずだ」
…何なのこの絵に描いたような無駄に正義感溢れる真面目勇者さんは。どこの少年漫画の主人公ですか。
よくそんな無駄に疲れるような事に自分から首を突っ込む気になれるよね。
その内誰かがやるかもしれないんだから放っとけば良いのに。
…違うか、ルカはその『誰か』になれちゃう人なのか。
なかなか面倒臭くて、損な性格だね。
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