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根拠
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「────って、いやいやいや、あんた馬鹿なの?俺の話聞いてた?」
「勿論聞いていた。聞き漏らしはない」
「いやあるでしょ。漏らしまくりでしょ」
あ、何かこの言い方だとルカが失禁してるみたいだ。
安心してください、漏らしてませんよ。
「? いや、やはり無いと思うが」
きっぱりと無いと言い切って、端正な顔を横に振って否定するルカに
頭が痛いとはこういう事かと図らずも知ってしまった。
「あのさ、俺一応魔王なの。分かる?」
「そうだな。アメは他とは違う魔王だ。だから提案をした」
「…ああ、そう。それはどうも。じゃなくて、魔王がそんな私利私欲の理由のために人間と仲良くするお手伝いするって言って、納得してくれると思う?」
「アメなら出来るだろう」
「何その根拠なしのポジティブシンキングな考え」
何? ポジティブ族なの?
「だって正しいから~」って言いながら鉈(なた)とか笑顔で振り下ろせちゃう系の人?
何それめっちゃ怖いんですけど。
「推察するに、君は周りがどう思おうが意に介さない性格だと思ったんだが…違ったか?」
「……、そういえばそうだった」
ルカのキャラが濃すぎて一瞬忘れてた。
「まあ、確かに異を唱える奴は消し……黙らせられるだろうけどさぁ」
「今消すと言い掛けなかったか」
気のせいじゃない?
「いや、でもさぁ…」
うーんと考え込む俺の頭に、いつの間にか目の前に来ていたルカの手が乗せられる。
乗せられただけだったけど、何故か初めて『撫でられる』という感覚を実感した。
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