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出立
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そんな手下どもの前で交わした契約は3つ。
一つ目、俺がルカと旅に出ている間、人間に危害を加えない事。もし破った場合の処遇はノヴァに一任してある。
二つ目、ルカが俺に提示した条件を果たせなかった時は、ルカの申し出は白紙になる。
三つ目、逆に果たされたと俺が見なした場合は、お互い今後一切の争いごとを起こさず友好関係を築いていく。
「こんなとこかな。はい、ここに血判捺(お)して」
こっちの世界では重要な契約を結ぶ時は、こうして血の制約を交わすらしい。
いちいち指切らなきゃいけないとか、面倒だね。
ルカの血印が押された書状がひとりでにシュルシュルと巻かれていく。魔法の紐で綴(と)じられると、それはふわりと俺の手に落ちた。
「契約完了でございます。それでは魔王様、どうかお気を付けて」
深々と皆に頭を下げられて、城門の所まで見送られた。
「何も言わなくていいのか」
「何が」
すっと後ろを指差すルカ。振り返るとまだ俺を見送っている手下ども。
取り敢えず「行って来ます」の意を込めて軽く手を振り返すと声が更に野太くなった。
うるさっ。
まあ、いいや。行って来まーす。
その後、城に仕掛けたカラクリを解除し忘れたアメのせいで、侵入者諸共(もろとも)手下達は下手をこく度城外に放り出される毎日を余儀なくされたとかしなかったそうな。
「「「魔王様早く帰って来て下さい~!!!!!」」」
「…クシュンッ」
「大丈夫か。風邪か?」
「さぁ。ていうか魔族って風邪ひくの」
「そういえば…、どうなんだろうな」
勿論アメはそんな事は露ほども気が付いていなかった。
ていうか綺麗サッパリ忘れていた。
あ、ちゃんと続くからね?終わらないよ。
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