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嘘寝
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ルカと目が合う。
今まで何で気が付かなかったんだろうって不思議に思う。ルカの虹彩って榛(はしばみ)色だったんだ。
「いきなりだね」
「すまない」
「いいけど。何でそう思ったの」
ペシペシと肩を叩いて、歩くよう促す。
「何となくだが、あちらの世界を拒んでいるように聞こえた」
そうかな。
「…そうかもね」
こっちに来てから随分経ったけど、「帰りたい」とは一度も思わなかった。
あっちと同様につまらないのは変わらなかったのに。
あ、でも。そもそもの生まれはこっちなんだし、そう思うのが当然なのか。
「まだ、見つけられないか」
「……………」
何が、とは聞かなかった。
そうだね。まだ分からないね。少なくとも置いてけぼり感はしなくなったけれど、あんまり変わらない気もする。
…でも、ルカといるようになってからはちょっとはマシな気がしないでもないんだよ。
なんて、
「アメ?寝たのか?」
寝たふりして言わなかったけど。
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